page.32 親子
突き当たりの部屋がBの牢屋だった
「B、入ります。」
重い扉を開け中に入ると
そこにはLが二人居た
「.......。」
「あれ?固まってるけど、君大丈夫? 僕は人の寿命と名前は見えるけど、石には出来ないんだけど...。クククッ...」
「B...。そういう冗談は...」
父親が違くても
こんなにそっくりな双子になるのだろうか
火傷の跡があるから見分けがつくけど
それがなかったら...
本当に分からないんじゃ...
「ほらニア、見てごらん。火傷でだいぶ分からなくなってるけどさ...コレ。」
「....?」
Bに言われるまま覗き込むと
そこには竜がいた
「兄さんの真似して彫ってもらったんだ。うん。芸術的~」
「B....。そこまで徹底するなんて...。あなた、馬鹿ですか?」
「だって、ちゃんとコピーを演じなきゃと思ったんだよ~。凄く痛かったんだからね!」
「馬鹿ですね...。」
なんだかパパもすっかり兄の顔に戻っていて
とても自然に見えた
「ねえ、パパ。僕、これからは"L"って呼ぶよ!そして、もっと沢山勉強する!Lに並べるように!」
「ニア...」
「だから淋しくない!
日本へ行ってキラを捕まえて!Lなら出来る!絶対に!」
「はい...。」
それから3人でまた話をして
あっという間に時間が過ぎた
僕は今日のことをずっと忘れない
こんなに心から笑ったのは久々だったから
そして2003年12月25日
Lが日本へ発つ日がやってきた
僕はハウスの窓を眺めていた
いつもは下ばかり見てパズルを解いているか
おもちゃで遊んでいる日々だったから
空を眺めるのなんて何年振りだろう...
「綺麗...。」
Lが最後にくれたロボットのおもちゃを抱いて
僕はいつまでも外を眺めていた
.