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page.30 犠牲





日本・関東地区



「これでいいんだ。 まさしく計画通りに事は進んでいる....」


『番組の途中ですが、ICPOからの全世界同時特別生中継を行います。』

「...?」



テイラー

よろしくお願いします



「私は全世界の警察を動かせる唯一の人間。
リンド・L・テイラー。
通称『L』です。」


大丈夫...。
必ずうまくいく。


テイラーには、私がキラを挑発するように考えた文を全て頭に入れさせている

Bには先日のICPOでの会議同様、機械の音声を通したLを演じて貰う

そして私は万が一予測していない事態に直面した時に備え、この部屋で待機している


「しかし お前のしている事は...
悪だ!!」


テイラー
その調子です

キラはきっと挑発に乗ってくる

どんなやり方でも

その時は必ず来る



「.........っ.......!ぐぁっ.......!」


何だ...どうなっている...?

まさか...
もうキラはテイラーを...?


私は震える手で通信のボタンを押し
Bに次の対応へ移行するよう呼び掛けた


「キラ...お前は直接手を下さずに 人を殺せるのか....」


そうですB...
ここは冷静に

「それは今日この時間に死刑になる予定だった男だ。 私ではない。」

「だが、Lという私は実在する」


もう十分です、B
よくやってくれました

これでキラは関東地区に潜伏している事
直接手を下さなくても殺人が行える事
そしてキラという『存在』が明らかになった

これは大きな進展です

テイラー...
あなたの死は無駄にはしません...


「さぁB、後は最後の文章を...。....B...?」


何だ?
急に通信の電波が弱まって...



「さあ!私を殺してみろ!」


B...!!
お前は....!


「さあ 早くやってみろ!」


B...!
死ぬ気か...!

キラは今目の前のテイラーを殺したんだぞ

お前も犠牲に....


「さあ 早く! 殺してみろ。
どうした できないのか」



キラは幼稚で負けず嫌い...
そんな挑発をしたら
本当に死ぬぞ



「B...!もう良い!やめろ...!
これ以上挑発するな...!」

Bに届かなくても
私は声を張り上げた

Bに届かなくても
私は声を張り上げた


「......。どうやら私は殺せないようだな。
殺せない人間もいる。
いいヒントを貰った。」


B...
まさかこれも計算か....?


「キラ お前がどんな手段で殺人を行っているのか とても興味がある...
しかしそんな事は....
おまえを捕まえればわかる事だ!!」



B...
私には出来ない事をこんな簡単にやってしまえるなんて...



「必ずおまえを捜し出して始末する!!」


「また会おう。
キラ.....」




中継画面とBとの通信が途切れ
ブラックアウトした画面に自分が映った


震えている


私は自分だけの力では
あそこまで出来なかった


フラフラとした足取りで
私はBの牢へと急いだ















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