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page.30 犠牲





「B、私です。入りますよ?」


重い扉を開け中へ入る


ここは牢と言ってもハウスの地下の一室

扉だけが、私の持っているキーがないと開かないようになっている

Bが自ら出入り出来ないという点以外は、普通の部屋と変わらなかった

しかしBは部屋に物は置いておらず
私が配線したパソコンが床にポツンと置かれているだけであった


「相変わらず殺風景ですよね...ここ。」
「...どうです?Clairが送ってきてくれた物でも飾っては?」


返事がない
やはりまだ拗ねているのか...?


「B...良い加減に......」


Bの方を見ると瞳に涙をいっぱい溜めていた
今までどんなことがあっても涙は流さなかったのに...


「やめてくれよ...兄さん...。
僕はもう昔には戻りたくないんだよ...。
死神Bにはなりたくないんだ...」
「....。」

「だから、死神だった頃の僕は消したいんだ...。
そして...もう一度出逢い治したい...。Clairにも...。
勿論Lにも...。」
「Beyond...」

「出逢い直して...普通の兄弟になりたいんだ....」
「...っ....」


私だってそうだ...
初めから出逢い直したい...

死神でなかった時のBに....


「でもさ...残念ながら僕は死神Bの運命を逃れる事は出来ないんだ。
ははっ...。だってそうだろ?
人の寿命が見える時点で、僕はもう普通の″人″ではない」

「死神は殺しても死なない。だから、僕がテイラーの変わりを出来れば一番だと思ったんだ。」
「そんなことは...」

「でももうやめる。
さっき兄さんから貰った資料の通りにやるよ。」
「はい...。」


またそうやって死神を演じる
不器用な男
Beyond=Birthday



「時間です。よろしくお願いします。」
私はこう言い残し別室へと移った
















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