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page.24 竜崎




飛行機でまずはニューヨークまで行き
そこからは車だ

なに
簡単だよ


「Help!Help me!」
車に駆け寄って
こう叫ぶだけで良いんだ

「乗りな!」

ほらね
簡単でしょ?

「坊主、どっから来たんだ?」
「おじさん、日本語喋れるの?」

「おじ...?まぁ、客に日本人が多いからな」
「客って?何のお店をやっているんだい?」

「タトゥーショップさ」
「入れ墨...だよねぇ...」

「坊主も、いっちょ彫ってみっか?」
「いや...僕は...」

「まぁ、まだ小せぇもんな!」
「僕...一応ハタチなんだけどなぁ...」

「え゙?!」
「11月で21だよ~」

「と...年上っ?!!」
「は...?」


おじさんだと思っていたこのボウズ頭の厳つい男は
Philip=Satan

こう見えても19歳

中学を出てすぐに
タトゥーの勉強を始めたそうだ

「お店って、どこにあるんだい?」
「ロサンゼルスさ」

「店には、パソコンあるかい?」
「勿論あるぜ」
「じゃあ行く」


まるで
誘拐犯に飴玉一個で釣られてる気分

僕は
Philipが営むタトゥーショップへ
行く事にした


ロサンゼルスに着く迄に
Philipは色々な話を聞かせてくれた

「そういや、お前名前は?」
「名前...?好きに呼んで構わないよ」

「なんだよそれ。変な奴だな」
「クククッ...良く言われる。
僕は、Philipって呼んで良いかな?」

「勿論良いぜ」



漸くロサンゼルスに着いた頃には
空が朱色に染まり始めていた

「入れよ」


店の中に入ると
今までにPhilipが施したアート達が
一面に写真として飾られていた

「凄いねぇ...」
「サンキュー。俺は、この仕事が大好きなんだ」


一通り店の中を案内して貰って
やっとパソコンのある部屋に辿り着いた

「ちょっと借りるね~」
「あぁ、好きに使ってくれ」


僕はもうあの街にはいないし
メールを送っても良い頃だろう

僕は
メールの新規作成画面を開いた



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9.6

Wammyさん~
あまり時間がないから、ヒントをあげるね~

ヒントその1~
僕は一昨日までは、ウィンチェスターのパン屋さんにいました~

ウィンチェスター中を探し回れば、手掛かりくらい見つかるかもね~

クククッ....

from.B

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「from.B...?」
「あぁ。コードネームみたいなものさ。」

「じゃあ、Bって呼べば...」
「呼ぶな!」

思いっきり
Philipの言葉を遮る



「じゃあ...何て呼べば...」
「だから、好きに呼んでくれよ」


これから僕は
犯罪者になるんだ

本名を明かすのはまずい

何か...
名前を考えなくちゃ...


「ん?」


ワタリから
早速返事が来た

「ちょっと...席を外してくれる?」
「...分かった」


Philipが出て行くのを確認してから
僕はメールを開いた

「これは...」


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B、Lの傷は大分回復しました。
ただ、腹部から胸部にかけて傷が残ってしまいました...
写真を添付しますので、見て下さい。

記憶はまだ戻っていません...

B...
あなたのしている事は、無駄なのでは...?


Quillsh=Wammy

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写真を見ると
そこには横たわっているLがいた

「これは...まるで...」


僕がバックアップというのなら
傷まで真似しておく必死がある...


写真だけプリントアウトしてメールを消去すると
Philipの元へと向かった



















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