page.02 ワイミーズハウス
ハウスへ来て間もなく、ワタリは私に犬を買ってくれた
塞ぎ込んでいた私への、気遣いのつもりだったのだろう...
しかし、私が生き物に名前を与えるなど...
何だか申し訳のないような気がした
― Pet ―
気の利いた名前も思い浮かばず、そのまま『ペット』と名付けた
孤独な私と
孤独な私から名前を貰ったPet...
「Pet,it's dinnertime.Come here.」
名前を呼ぶと、一目散にやって来るPet
頭を撫でてやると、その小さな体を擦り寄せてくる
ワタリも...
こんな気持ちなのだろうか...
身寄りのない私を哀れんで...
仕方なく一緒に暮らしているのか...?
養護施設とは言ったものの、私とワタリしかいないハウス....
本当は...
嘘なのでは...?
.....ペロペロ
「Oh...Sorry.」
Petに指を舐められ、我に返る
「Are you happy?」
クゥーン....
犬にも...
幸せがあるのだろうか.......
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