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page.02 ワイミーズハウス




鼓動が激しい

胸が苦しい



また
同じ夢だ...




ワイミーズハウスに来てから、半年が経とうとしていた


そして
毎日同じ夢を見る




手を差し伸べてくる母...
母の手を掴もうとする私...

しかし
決して二人の手は触れる事がない


距離は
遠くなるばかり...




ガチャ....



「Good morning L.」
「.......」

「8 O'clock.」
「....Yes.」


ワタリは毎朝八時になると、私を起こしに来る

起きるとすぐに、朝食が始まる




養護施設とは言ったものの、今のところハウスには私とワタリしかいない


二人で暮らすには、このハウスはあまりにも広過ぎるように感じる



朝食は、パンとスープと決まっている

広いリビングに、スプーンと食器が擦れる音だけが響く



「WATARI...」
「What?」

「...Nothing...」



半年経った今でも、ワタリとちゃんと会話が成り立たない時が多々ある

何故か距離を置いてしまう


しかしワタリからは、特に気にしている様子も見られない




「I'm done...」
「What,already?」
「......」



何となく居づらくて、いつもワタリより先に食事を済ませる

流し台へ食器を運び水を張る



水に濡れた自分の手を見ていると、なんて白い肌なのだろう...と思った


死んだ時の母の手よりも...
もしかしたら白いかもしれない....


本当は私は...

もうとっくに...

死んでいるのではないだろうか...









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