page.29 二人のL
「僕にも..何か出来ることはないかな...?これで最期なんだ...」
「B...」
ストレートに言うしか
言葉は見つからなかった
「B...あなたは囚人という立場にいます。それくらい分かるでしょう?
私があなたに捜査状況を漏らせば、犯人から遠ざかってしまうことが大いに考えられる。」
そうじゃないんだよ...
兄さん...
最期に...
一緒に....
「今私が追っている事件は、”キラ事件”
犯罪者ばかりが狙われ、死因は主に心臓麻痺。」
「...キラ...」
「そしてBは、一度”犯罪者”となった人間です。キラに狙われる確立は、ないとは言えない。」
「そうだね...」
「当時は、一部だがテレビでも報道された事件ですからね。」
「そうだねぇ...そして今、その犯罪者がLの目の前に居る」
「正解です。」
ハタから見れば凄い光景だろう
そしてその犯罪者の兄は裏社会のトップで世界の警察を動かしている
凄い設定...
「兎に角、もうBに危険なことはさせたくない。Bは加減知らずなので、いつも冷や冷やします。」
「...ごめんなさい...でも...!」
今回は引き下がりたくなかった
最期くらい
Lの傍で
いや、Lと一緒に捜査がしたかった
Lと捜査することは、
僕の憧れJack=Lawliteと捜査するのと同じ...
もしかしたら今のLなら、Jack以上かもしれない...
「L、僕は死ぬのは恐くない。だって僕はあの日、死ぬはずだったんだから...。最期くらいはLの役に立ちたいんだ。
もう死神Bは嫌なんだ...」
「Beyond...」
「大丈夫。多少危ない橋でも、僕は渡れる。もう何も恐いものはない。」
「...分かりました。」
根負けしたのか僕の気持ちが伝わった
のか、Lは一緒に捜査をすることを認めてくれた
「...ただし...」
「?」
「あなたが囚人という事実は変わらない。そこは分かって下さい。なので、捜査はこの牢の中でして頂きます。
こちらにB用のパソコンを手配します。明日には届くでしょう。」
「L...」
「あなたの気持ちを無駄にしたくはない...」
『期待していますよ、B』
Lはそう言うと牢を後にした
キラ...
僕はもう恐いものは何もない
だから僕のやり方で...
僕にしか出来ないやり方で...
キラを捕まえてみせる。
こんなにワクワクしたのはいつ以来だろう
寧ろ初めてかもしれない
明日を楽しみにしているなんて...
「生きてて...よかった...」
無意識にそう呟いて
僕も眠りへ堕ちていった.....
.