page.29 二人のL
page.29 二人のL
僕はまだ生きている....
でもこんなの惨めだ...
せめて...
少しでも兄さんの役に立てれば...
僕は火傷の傷の痛みも漸く落ち着き
言葉を話せるようになってきた
でも、まだ牢の中だった
当たり前だけど
「B、食事です。もう、自分で食べられますか?」
「..あぁ...。食べれる...。」
兄さんは、犯罪者の僕をずっとこうして傍に置いていてくれる
僕が犯した罪を考えれば
それ相応の刑や、最悪死刑でもおかしくないのに...
ここに置いていてくれる
「今私は、ある凶悪な事件に関わっています。これからは、毎日食事を運ぶことも出来なくなるかもしれません。」
「事件...」
「食事は、ワタリや他の者が運んで来る日もあるかもしれませんが、あなたの秘密が漏れることはありませんので、安心して下さい。」
Lは最早裏社会のトップ
どんな事件だって容易く解決してしまうだろう
「では...」
「待って...。」
ここで兄さんを引きとめていなかったら
僕は一生後悔したと思う
だから引きとめた
これで最後...
いや、
これがLの弟として...
Beyond=Birthdayとしての最後の頼みだった
.