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page.21 誤算




それからの毎日は
僕にとって苦痛でしかなかった


MichelとLが全く会話をしていないのが
逆に意味あり気に見えて
余計に僕を苛立たせた


そして
あの夜がやってくる...


「B...ちょっといい...?」
「なんだい?Michel」

「Mと...」
「構わないさ」


なかなか話し出そうとしないMichelを横目に
僕はこれから話される内容が
大体予想出来た

そんな自分にも苛立つ


「誰にも..言わないで欲しいんだけど...」
「あぁ、言わないさ。何?」

「私...
Lが好きなの...」



Lが好き

こいつは
今はっきりそう言った

もう殺すしかない

僕等にとって
こいつは害でしかない

僕はポケットに常に入っている
父のナイフを握り締めた


「でもね...Lはずっと冷たいの...
私と話すのが嫌みたい...」


それ以上...
兄さんの名前を呼ばないで...


「ねぇB...Lには...恋人っているのかな...?」
「さぁ...?部屋に行って直接聞いてごらんよ。今の時間なら、本を読んでいる筈だから」

「ありがとう、B!」



ク...クククッ...

僕は今...
何て言った...?


部屋に行ってごらんよ


Lの名を口にしながら頬を染めるMichelを
不覚にも美しいと思ってしまった


まさに魔が差したというのはこの事だ

僕は...
何という事を...


「... 1 9 9 1 8 2 5」


こんな数字
何になるっていうんだ...!

Michelの寿命が見えたところで
僕には殺せない

顔を見ただけで
殺せる眼が欲しい...!


暫く頭を抱えソファーに座っていたが
導かれるように二階へ向かった


廊下にいても分かるくらい
Michelは大声で怒鳴っていた


このまま喧嘩して
悪い思い出だけが残れば良い


そう思ったのも束の間で
急に沈黙が訪れる



そして

ドアの隙間から射していた

明かりが消えた


僕の中の明かりも消えた


僕の誤算は

とんでもない結果を招いた



















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