page.20 再会
ガチャ...
静かに部屋のドアが開いた
あ...
僕、
寝てたんだ
何だか部屋の空気が緊張してる
僕は気付かれないように頭だけ起こして
部屋の様子を伺った
そこには
血まみれなシャツを着たLがいた
血は床まで濡らしている
何があったんだ...?
これはLの血...?
「私が...」
耳を澄まさなければ聴こえない程
か細い声だった
「私が...殺した...」
一体いつから
Lの一人称は「私」になったんだろう
そんなに焦らなくても良いのに
口調が大人びただけで
お前はJackに近付けるんだ
でも僕は...
一生Jackには近付けない...
血が付いたシャツのままベッドに横になっているLに
上から話し掛ける
「L~How are you~L~」
ベッドから宙吊りになって
Lの様子を伺う
「.......」
全然反応が返ってこなくても
僕はLを覗き込んだり
歌を唄ったりを繰り返した
「そういえば、Kと"L"は寿命が一緒だったんだよ」
ピクッとLの躯が反応した
「言ってなかったかな?クククッ...」
Lが悲しむ事なんて何もない
寿命だったんだから
人の死でいちいち落ち込んでいたら
お前はJackのようにはなれないよ
「ワタリと、ちゃんと話をした方が良いよ。じゃあ、僕はまた寝るから~」
布団に潜り狸寝入りをする
「ありがとう...B...」
そう言って
Lは部屋を出て行った
今はいっか...
"B"でも
いつか呼んでくれるって信じてる
「Beyond」
「兄さん」
こんな風に
呼び合える日々が来る事を...
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