page.20 再会
車で30分
漸くワイミーズハウスに到着した
「へぇ~」
確かにそこはハウスだった
二階建ての建物に
広い庭
門からは距離がある
でもこんな場所に建物があるなんて
周りを見渡しても
車は走っていないし
人の気配がしない
隔離された土地
まるでそんな感じだった
「行きましょうか、B」
「うん!」
ワタリは
不思議なくらい何も聞いてこない
僕の出身地や
何故ここに来たのかとか
そういう類の話は
一切出なかった
会話から探っている様子も特にない
ハウスの中に入ると
仄かにお菓子の匂いがした
.....お菓子屋さん?
トントン...
二階から足音がして
階段からちょこんと頭だけを出している男の子がいた
Lだ
一目見ただけで彼がLだと分かる
それくらい
僕とそっくりだった
大きな丸い瞳と
色白な肌がその証拠だ
「Welcome home.」
「Finally.」
ほら
声もそっくりだ
この分だと
ワタリにはすぐバレるんじゃない?
人に逢うと名前と寿命を見るのが癖で
コンタクト越しにLの寿命を見る
「November 2004 5th...」
「What?」
「Oh!Sorry.I'm Beyond=Birthday.Please call me B.」
英語を勉強しておいて良かった
大丈夫
きっと僕はLとうまくやれる
暫くは
穏やかな月日が流れていた
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