page.19 黒い瞳
図書館に入り
Jackの本をありったけかき集めた
「凄い量だなぁ~...」
Jack=Lawlietの軌跡
Jack=Lawlietのすべて
犯罪者辞典
Jackのような探偵になるには?
引きこもり我が儘探偵Jack
Jack語録
........。
これらはJackの書いた物ではなく
編集されて他の誰かが書いた書籍だった
「なんだよこれ...確かパパの部屋には、もっと立派なのがあったはず...」
図書館内を汲まなく探しても
Jackが自分で書いた本は一冊もなかった
「また振り出し...」
小一時間悩んだ末
僕は倉庫街まで戻る事にした
「急がば回れって言うしねぇ~」
倉庫街に戻れば食料もあるし
時間を気にせずゆっくり本が読める
ちょっと軽い足取りで
元来た道を引き返した
倉庫街へ戻り
パパの部屋へと急いだ
もう此処には僕しかいない
部屋に入っても
怒られる事はない
少し腐敗臭の漂うパパの部屋
死体には蝿がたかっている
この倉庫街へ訪れる者は少ない
地図にも載っていない場所だ
死体を椅子代わりにして
僕は黙々と本を読む
お腹が空いたら苺ジャムを片手間に食べ、また本へと眼を移した
蝿が五月蝿い
何回日が昇って沈んでいったんだろう
全ての本を読んだ時は
自然と涙が溢れていた
「僕も...Jackの子供に生まれたかった...パパって...呼びたかったよ...」
僕はJackの本とありったけの食料を持ち
外に出た
「さよなら...Haward...僕のパパ...一番..憎むべき男...」
マッチに火をつけ
Hawardへ投げる
何本も..
何本も....
燃やしてしまうのが一番良いと思った
もうパパがいない現在では
いつ僕が造られたかは分からない
でもLの誕生日を聞き出せば
そこから割り出す事が可能
双子だと聞いたのが
唯一役に立つ情報だった
火だるまになったHaward
火が床にまで広がり
草木に燃え移り
倉庫街が火の海と化していく
炎を見て
僕の眼は更に紅く燃えた
まずはお金が必要だ
だからこの食料や
父が集めていたナイフ
倉庫の中にあったお金になりそうな物を
売りに行こう
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