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page.01 僅かな光さえ...


病院の自動ドアを抜けると、そこには先日名前を教えたナースが立っていた



「L!Come here!」
「......」


ナースに連れられ、母の親戚が待つ部屋へと向かう



「Please wait...」


コンコン....



ナースが静かにドアを開けると、そこには一人の老紳士が座っていた



「Hello...My name is...」
「L」



私が名乗るより早く、老紳士が私の名前を呼ぶ


「Why do you know?」


老紳士は笑うだけで、答えてはくれなかった



「What your name?」
「My name is Quillsh=Wammy.More commonly known as "WATARI".」


キルシュ=ワイミー
通称ワタリと名乗るこの男


母とは...
本当に親戚なのだろうか?



「I've been waiting for you」



私を待っていただと...?

何を言い出すんだ....




通称ワタリの話によれば、彼は養護施設を持っているらしく、私を養護施設へ連れて帰りたいそうだ



「No....」
「Why?」



理由は単純だ


母との思い出の家を離れたくないから



しかしこのままでは、普通の生活さえままならない


たかが五歳そこそこの子供が、独りで生きていけるわけがなかった



しかし、この男を信用していいのか?





この日は特に話がまとまらず、ワタリは帰って行った



「See you later L.」



出来れば、もう会いたくはなかった


初対面で私を引き取りたいなんて...

どうかしている...




「L」



すっかり忘れていたナースの存在に、はっとする



「What?」



ナースは、近いうちに葬儀が行われる旨を伝えてくれた


『きっと葬儀にワタリも来るから、その日までに決めなさい』と言われた








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