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page.01 僅かな光さえ...




一度は不安に駆られたが、母の体調は回復し、平和な日々が続いた


「Boredom....」



平和過ぎて、どこか退屈だ

そう思う反面、この平和がずっと続いて欲しいと思っている私がいる




また母が発作を起こしたら...

次はどうなるんだろう....



私は首を横に大きく振り
考えないようにする


母がいなくなるなんて

考えるだけで、立っていられなくなる




「L!Come here」

「What?」



母は家事が終わると、私にお菓子を作ってくれた



「If you use your head,you can eat sweets without gaining weight though...」



『頭を使っていれば、太らないのよ』


母の口癖だった



その証拠に、母は痩せていた


何に頭を使っていたかは知らないが...



甘ったるいケーキを幾ら食べても、砂糖を入れすぎて飽和状態になった紅茶を飲んでも...




「Delicious!」



最初は甘過ぎると思っていたケーキも、慣れてしまえば全く気にならなかった




「I'm done」


空っぽになった皿を見ると、母は微笑んだ


自分が作った物を、美味しそうに食べて貰えるのは、彼女の一番の幸せだったんだろう



「......L...」

「What?」

「......Nothing...」




少し母の表情が、曇っていたように見えた


でもその日は特に気にせず
眠りについた





何故あの時...

私は母の異常に気付けなかったのか...

悔やんでも悔やみきれない....










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