page.01 僅かな光さえ...
page.01 僅かな光さえ...
生まれた時から
父親はいなかった
Lawlietは母親の姓
母は
私を女手一つで育ててくれた
幼い頃から心臓病を患っていた母は、発作を起こす事も度々あった
発作を起こす母親の手を握るしか、私に成す術はない
私は無力だった
「Are you all right?」
心配そうに母親の顔を覗き込めば、力なく微笑む母
「L.....」
震える手で、母は私の頭を撫でる
「.....Sorry...」
苦しみに耐え、謝罪の言葉を繰り返す母
「Why?」
「......Sorry...」
何度尋ねても、母は謝るだけだった
私は、良く分からない不安に駆られる
このまま母は
死んでしまうのではないだろうか.......
発作を起こすのは度々だったが、こんなに不安に駆られたのは、初めてだった
恐い........
母がいなくなってしまったら...
私は独りになってしまう.....
この広い世界に...
たった独り......
考えるだけで、目の前が真っ暗になる
「Mammy....!Mammy...!」
母の手を握る力を強め、必死に呼びかける
暫く発作が続いたが、何とか落ち着き、母に抱き締められる
「L....I love you...」
「I love you too mammy...」
母は私を必要としてくれている
それだけで良い
私も、母がいてくれるだけで良い
他の物はなにもいらない
この僅かな幸せを
どうか奪わないで.....
.
1/9ページ