page.18 殺意...憎悪...そして...
1987.11.1
この日も朝から処刑所へ行った
よくこんなに死ぬ人間がいるものだ
もう血を見ても
何も感じない
お昼過ぎに処刑所を見渡すと
父がいた
「パ..パ...?」
父は
何も映っていないような瞳で
前だけを見ている
僕は
思い切って近づいてみた
「パパ...?どうして此処に...。.....!」
1 9 8 7 1 1 1
父の数字は
確かに今日の日付だった
父は...
今日処刑されるの...?
「パパ...どうして...」
「Beyond...!」
父は僕の顔を見ると
血相を変えて怒鳴り散らした
「何で此処にいるんだ!答えろ!」
「ち...地図が...」
僕はポケットの中から
小さく折り畳んだ地図を差し出した
「お前は...!勝手に俺の部屋に入ったのか!!答えろ!」
「ご..ごめんなさい...だって..お兄ちゃんが..」
兄の話をすると
父の形相は益々恐ろしくなった
「Lの事は忘れろと言っただろう!なぜ俺の言う事が聞けないんだ!」
「パパ...やめて...!」
久々の暴力
地面に顔を思いっきり叩きつけられる
「そんなにLや過去の事が知りたいか!ならば教えてやろう!来るんだ!」
父は痛いくらいに僕の腕をひっぱり
家へと向かった
.