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page.16 帰還





「おかえりなさい。マック、ワタリ」
「L...お前..」


「いえ...ただいまと言うべきでしょうか...」
「戻ってきたんだな...L...」


「何故...貴方が泣くんですか?」
「うるせ!」



私は
記憶を失っていた四年間の事を
あまり覚えていない


毎日ふわふわした感じがして
地に足がついていないような感覚
それだけが唯一残っている
断片的な記憶だった


「ワタリ、もう時間がない。早くロサンゼルスに発たなくては」
「まだ病み上がりなんですから、ゆっくり考えましょう。
手紙に記載してある日付までは、まだ時間は充分です」

「そうですね。
ワタリ、またよろしくお願いします。」
「はい」

ワタリはにっこり微笑んだ

還って来れて良かった


「マック、色々と迷惑を...」
「気にすんなよ!結構楽しかったしよ!」

「暫く..お別れですね...」
「シケた面すんなって...!何かあったらすぐ呼べよ?な?」
「はい...」



今回の事件でも
またFBIに協力を要請するかもしれません

それだけ言うと
私達は握手を交わした

「またな!L!」

マック...
ありがとう...




「ワタリ、ロジャーとコンタクトは取れるか?」
「勿論です」

「では、暫くハウスには戻れないと言って下さい。
今回の事件で、私とBの関係が漏れるのはマズいです」

「それでしたら、Lは直接捜査に乗り出せないのでは」



.....あ、そうか。


「記憶障害が治ったばかりで、いまいち頭が働かないようです....」
「まだ時間はあります。ゆっくり考えましょう」
「はい....」



2001年10月31日

地下にも響き渡る鐘の音が
いつまでも耳に残っていた











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