page.16 帰還
2001年
この日僕は
この地下に一人で留守番をしていた
マックもお出掛け
ワタリおじいちゃんもお出掛け
ドクターはお仕事
「つまんないの~」
あんまりにも退屈だから
僕はこの地下を探検する事にしたんだ
ちょっとした冒険
「資料室?」
ドアには金文字でそう刻んであった
ノブを回すと鍵は掛かっていなくて
僕は中に入った
「暗いなぁ~...
電気、電気...」
パチ....
電気を付けると
そこには沢山の分厚いファイルが
所狭しと並べられていた
「ジャック..ビームス...?だれだぁ~?」
自分の部屋よりもっと退屈な資料室を出て
僕は更に奥へ向かったんだ
資料室からまもなく行くと
ワタリおじいちゃんの部屋を見つけた
この地下にはさっきの資料室とワタリの部屋、そして僕が寝ていた部屋しかないみたいだった
突き当たりにも扉があったけど、鍵が掛かっていて開かなかった
「おじいちゃんの部屋、ちょっとだけ入っちゃお~」
本当にちょっとした好奇心だったんだ
僕はワタリの部屋に入った
「うわぁ~!」
そこには沢山の賞状と
キラキラと輝くトロフィーが沢山飾ってあった
「きれー...」
トロフィーの棚を抜けると
おじいちゃんの机を見つけた
「何だろう?」
机の上には
紐で結わえられた束が置いてあった
「開けちゃえ!」
僕は紐を解くと
上から順番に封を開けた
「でぃあ...わたり...?あ、手紙だ~」
消印を見ると1990年のものだった
「今は2001年だから...えーっとぉ...」
僕は取りあえず消印が古い手紙から
一通一通読む事にしたんだ
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