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page.15 闇




1997年5月


アジトもつきとめた
証拠も十分
あとは捕まえるだけ


こんな三拍子揃っている状況なのに、また私達は衝突した


「まだそんな事言ってるのか?本当に死ぬぞ!」
「構いません」

「お前は何も分かってねぇんだよ」
「死ぬ気で犯人を捕まえる。それが私の考えです」

「こんな所で無駄死にする気か?お前はそれで満足なのかよ!」
「何とでも言って下さい。考えを変えるつもりはありません」

「もういい!勝手にしろ!」



本当は死ぬのは恐い

でも拳銃を手にするのはもっと恐い


一年経っても
私の中の恐怖は変わらなかった

1997年7月

予定よりも早い突入だ

私とマックは夜を待ち
アジトへ突入する事を決めた


「ワタリとワックは、引き続き監視を。私達は突撃班に回ります」


夜が待ち遠しいと思う反面
日が暮れて欲しくないという思いも交差した



「L、夜になった。そろそろ行くぜ」
「はい」


私は素手で戦うつもりだった
この日まで
拳銃は握れなかった


「いくぜ!」



....ガシャン!
.........ガシャーン!!


マックが銃を放ち
窓ガラスを割る


「次はこっちだ!」


ガシャーン!!!


まずは犯人を動揺させる作戦だった


このアジトは中が迷路のようになっていて
潜る扉を間違えれば
死、あるのみ



「行くぜ!突入だ!」
「はい」



勢いよく窓から中に入ると
Aがいるであろう部屋を目指した


このアジトは迷路のようになっていて部屋が多いわりには、造りは甘く出入口は一ヶ所。
地下もなく、Aがいる部屋まで追い詰めればすぐに捕り押さえる事が可能なのだ



「次は右だ!」


バンッ!!


もうどれくらいの扉を潜ったのだろう
そろそろAの部屋に着いてもいい頃だ


「ワック、聞こえるか?」
「...聞こえるよ」


「Aはどうしてる?」
「部屋で銃を握って構えてるよ。仲間はカメラには映ってないよ。」
「そうか、サンキュ。...L、そろそろ奴の部屋だ。急ごう」
「...声が...」

「あ?」
「声がするんです...」

「...。何も聞こえない」
「マック、先に行って下さい。人質かもしれません」
「おいおい。ワックの話を聞いてなかったのか?」


「...っ...!...おい!Lっ!」


私は来た道を引き返した














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