このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

page.14 ねぇ...




ニアが起きる前に
折角解いたパズルをバラバラにしてベッドの上に置いて
最後の1ピースは
見つからない場所に隠してやった

ちょっとしたゲームのつもりだった


これでニアが
全てのピースを探したらどうしよう

いや有り得ない

たかだか4歳くらいの子供が
こんな僕しか知らないような場所にあるピースを
見つけられないだろう


僕はニアの様子を見るために
もう一度ベッドに入り
狸寝入りをした



8時

いつもニアが起きる時間だ


ゴソゴソ....


ニアが起きた

さぁ
どうする?



パチ....

パチ.......

ニアはバラバラになったパズルを見て
驚きも泣きもしないで
再びピースをはめ始めたのだ


驚いたのは僕の方だった

でも起きていると気付かれないように
必死に堪えた


最後のピースは
きっと見つけられないさ


パチン....


もう終わったのだろうか?

ピースが嵌る音が止まった


遂に諦めたのかな?


ゴソゴソ.....
ビリ...


僕は
一瞬声を上げそうになってしまった


ニアはいとも簡単に
最後の1ピースを見つけた


僕がピースを隠した場所は
机の上に置いてある
食べかけの板チョコの銀紙の中だった


それをニアは数秒で探し当て
パズルを完成させた

まだ最初のピースを嵌めてから
数分しか経っていない筈なのに...


パズルを終えると
ニアは部屋を出て一階へ向かった

足音が消えてから
僕は机の上のパズルとチョコを眺めた



「L......?」


昨日は薄暗くて気づかなかったが
パズルにはLの名前が刻んであった


「何でLの名前が....」


僕は机の上のチョコを握り潰し
ゴミ箱へ捨てた


絶対にLとニアは何か隠している

でもその「何か」が分からない


僕はニアに劣等感を抱いたのと同時に
ワケのわからない嫉妬心も生まれていた

何に対しての嫉妬心なのかは
僕自身まだ分からなかった


このモヤモヤがはっきりするのは
まだまだ先の事...

















.
3/6ページ
スキ