page.13 金色の少年
ミハエルは色々話してくれた
1989年12月13日生まれで
もうすぐ五歳になる事
両親に捨てられたという事実も
隠さず私に話してくれた
「ミハエル、これからどうしたいですか?」
「僕は...」
「此処にいたければ、一緒に暮らしましょう」
「本当に?」
「はい。ただし条件が...」
私はミハエルに此処が探偵学校である事を説明した
ここで暮らす為には
少なくとも探偵としての知識が必要な事も話した
それでもミハエルは
此処で暮らしたいと答えた
「分かりました。
ワタリ、ニア」
二階から二人を呼ぶ
「今日から仲間入りする、ミハエルです」
「よ...よろしくお願いします」
「ワイミーズハウス創設者のワタリです。」
「ニアです。よろしくね」
ひと通りの挨拶も済み
ワタリからミハエルへ
このハウスでの生活の仕方が説明された
「ミハエル、貴方は今日から【M】と名乗って頂きます。」
「ワタリ、Mは可哀想です。せめてニックネームを」
「では...【メロ】と名乗って下さい。
良いですか?メロ」
「はい!」
「ニア、今日からはメロと二段ベッドで寝て下さい」
「でも...」
「分かりましたね?」
「はい...L」
その夜メロが寝静まってから
私はニアを部屋に呼んだ
「パパ...」
「ニア...すみません...こんな想いをさせてしまって...」
ニアは涙目で私に抱き付く
「忘れないで下さい...貴方の父親は、私だけです...」
「パパ...」
「でも、ニアが危険な目に合わない為です...
私の事は、これから先Lと呼んで下さい...
私と親子だという事は...メロにだって言ってはいけません...」
「パパ...」
幼い子供には酷過ぎる話だ
しかしニア...
我慢して下さい...
貴方なら出来ます...
「分かったよ...L。
もう..この部屋には来ないよ...」
「はい...」
ニアが部屋を去った後
声を殺して泣いた
この運命を呪った...
ねぇB...
君ならどうする...?
その日は
眠れなかった...
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