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page.13 金色の少年



「ただいま、ワタリ~!」

玄関を抜け
勢いよくワタリまで駆けて行くニア


「ほほ..ニア。お外は楽しかったですか?」
「うん!でも、パ..Lは変だったよ」



私は手招きでワタリを呼び
先程の話をした


「L..少年がお目覚めです。直接聞いてみては?」
「そうですね...少々酷ですが..ワタリ、ニアを頼みます」


ニアはワタリに連れられ二階へ上がって行った



私は
暖炉の前で毛布にくるまっている少年に近付く



「何か、温かい物でも飲みますか?」


....ビクッ!


肩に触れただけなのに
過剰なまでに触られるのを恐れている


「どうしますか?飲みますか?」
「ャ....ロ....」
「大丈夫ですか?」

ビクッ.....!!


「....やめろ!触るなっ!あっちいけ...!」


私の手を振り解き暴れる少年


「あっちいけよ...!!」
「ちゃんと話をしましょう?」
「...僕を..捨てるんだろ?!あっちいけよ...!!」



やはり黒か...



「私は貴方の味方です。話をしましょう」
「何も聞きたくないっ!いやだっ...!」


耳を塞ぎうずくまってしまった少年を残し
私はその場を離れた


「あれ..良い匂い...」
「こんな所に【ホットチョコレート】がありますねぇ~
誰のでしょうか~?」


わざとらしいくらいに
オーバーな演技をする


「おや~?誰も名乗り出ませんね~??
では、私が貰いまーす。」
「だ、だめー!」


そう言うと少年はコップを奪い
ホットチョコレートを飲み干した


「美味しかったですか?」
「うん...とっても...」
「良かったです」

そう言って微笑むと
私は空いたコップを下げにキッチンに向かった



「ま...待って..!」
「はい?」
「お...お兄ちゃん...」
「何ですか?」



コップをテーブルに置き
少年に近付く


「逃げないんですね?」
「うん...」


少年を膝の間に座らせ
毛布を被り暖める



「貴方のお名前は?」
「ミハエル...Mihael=Keehl...」
「ミハエル、良い名前ですね」


そう言うと
少年は安心したようで
初めての微笑みを私に見せた


















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