page.13 金色の少年
page.13 金色の少年
無事に行方不明なTomを発見して
私はまた日常に戻った
13回目の誕生日も迎え
段々とケーキの上が賑やかになっていく
「ケ..キ...ケーキ!」
ニアも段々と言葉を覚えてくれて
私とも少し会話出来るようになってきた
ニアが初めて覚えた言葉は
「オモチャ」だった
ニアは物を積むのが好きで
良く積み木などで遊んでいる
それを真似して
私もガムシロップなどを積んでみる
ニアは本当に覚えが良くて手が掛からない
私が捜査に行く時は留守番をしてくれるし
たまには捜査に連れて行く事もあった
「ニア、美味しいですか?」
「パパ、おぃ..しぃ」
たどたどしいが話が出来る
自分の息子と話が出来ているなんて
何だか感動だ
夜はニアと一緒に眠る
ニアは絵本よりも私の話を聞くのが好きなようだ
「おはなし...パパ..おはなし!」
「はい」
ニアに対する思いだとか
過去の事件の事だとか
きっとまだ理解出来ないだろうがニアに話す
「そしてその時、Jackが...」
「.......」
「ニア...」
隣では寝息をたてて眠るニア
「私も寝ます」
ベッドサイドのランプを消して
私は眠りに就いた
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