page.12 光
帰りの車内では
沢山の事が頭を巡った
Tomとニアは
フィーリングが合ったのだろうか
あの泣き方は
偶然だとは思えない
「ワタリ、ニアは私より凄い探偵になりますよ」
ワタリはルームミラー越に微笑んだ
「もし私がハウスを出て...ニアが大きくなった時は..私と親子だという事は内密にして下さい」
「L...」
「ワタリとニア以外は、知らない事にして下さい...
それがニアのためです...
ですから、ニアが大きくなったら
「父親はいない」と言うように教えます。」
「やはり貴方は...Jackの息子ですね..」
「はい...」
ここにきて実感する父の血
何故だか少し悲しくなった
でも忘れないで下さい...
ニアの父親は私だけですから
例え世間が真相が藪の中だと言っても
ニアとワタリだけが分かっていれば充分だ
「L、そろそろあの約束を果たしましょうか?」
「何ですか?」
「Lに続くように、A~Zまで子供達を集めるんです」
「私の後継者はニアです」
「もし、先程の一件が偶然だったら...」
「ワタリ...」
「念のためです。特に意味はありません。」
「私の気持ちも変わりません」
「しかし、無理強いは良くないですよ」
「勿論、ニアの成長には合わせるつもりです」
「そこで探偵には向いていないと判断した場合は?」
「........」
ワタリ...
何故そんなに...
「色々な場合に備えるのです。
明日から、世界各地より子供達を集めます」
「どうぞ...
その件に関しては、私はノータッチでいきます」
「承知しました」
私には自信がある
ニアは私を越える探偵になるだろう
でも今はまだ
貴方が健やかに育ってくれる事の方が
私のなによりの幸せです
何を眺めるわけでもなく
ただ景色が進むのを見ていた
夜明けの光が眩しい
何ヶ月振りに見た光だろう
何だか
生きている事を実感させられた
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