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page.12 光





「よく生きていてくれました」

Tomの頭を撫で
お菓子を与える


約一年間...
彼は生きたいという精神力だけで
生き抜いた


「私があの時依頼を受けていれば...もっと早くに発見出来たのに...
本当にすみません...」


Tomは首を振りお菓子を頬張り続けている


「さぁTom。家へ帰りましょう」


頷いたTomを
ワタリが家まで送り届けた
私は人前に姿を晒す事は出来ない

軽蔑の目で見られるのが怖いから...



ニアを抱いて車へ戻る


「ニア...偶然ではないですよね...」


ニアは既に眠りについていて
規則正しい寝息が聞こえる



.....コンコン



「ワタリ?」
ワタリが窓ガラスを叩いている


「どうしたんですか?」
「RimeがどうしてもLにお礼を言いたいと...」

「結構です..断って下さい...」



「......お兄ちゃん!」


Tomがフラフラの足取りで駆け寄り
私の服を引っ張った

「お願いお兄ちゃん!お母さんに会って!」
「Tom...」


Tomの笑顔に連れられて
私はRime宅へと向かった



「ママ!僕を助けてくれたお兄ちゃんだよ!」
「本当にありがとうございます...!何とお礼を言っていいのか...」


「お礼は結構です。私は依頼を済ませただけですから」
「まさか貴方は.....L...ですか...」

「はい...私がLです」



Rimeは驚いた表情をして
ずっと私を見つめていた


「世界のLにお会い出来て光栄です。
L...貴方は素敵な人ですね。
本当にありがとう」


Rimeに握手を求められたが
私は躊躇ってしまった


人に触れるのが怖いのだ

特に女性に触れるのは
今でも怖い...



「お兄ちゃん!」


Tomが私の手に触れ
私はRimeと握手を交わした



「それでは...私はこれで..」


少し照れながら
ワタリの待つ車へと向かった



Tomが無事で良かったです

もうこれ以上
人が死ぬのを見たくないんです















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