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page.12 光



車の中では
ニアが退屈しないように
色々な玩具を与えた


「L、そろそろです」
「はい。ニア、行きますよ」


ニアをおんぶ紐で支えて
私は車から降りた




深夜の住宅街
街灯だけが頼りだ


「ここがRime宅ですね。とくに怪しいものはないですね」


暫くRime宅周辺を歩き廻り
何も発見出来ないまま30分が過ぎてしまった


「Rime宅から少し離れてみましょう」
「はい」


手掛かりがないままRime宅を少し離れたら
またニアが大声で泣き始めたのだ


「ニア、静かにして下さい...」
「オギャーオギャー....!」

車に引き返そうと道を歩き出すと
ある場所でニアが泣き止んだのだ


「偶然ですよね」


気にも留めず
車へと向かったのだが
Rime宅から離れる程ニアは泣き叫んだ

さすがに変だと思い先程ニアが泣き止んだ地点まで戻る

するとどうだろう

ニアはまた泣き止んだのだ


「ワタリ......」

下を見るとマンホールの上にのっていた

「まさか....」

導かれるように鉄の蓋へと耳を押し当てる


「.....ママ.....たす...て...」

「......!」


僅かだが声が聞こえる
子供の声だ


「ワタリ!」
「はい」

ワタリとマンホールの蓋をこじ開け
懐中電灯で中を照らす

「Tom?いたら返事をして下さい!」

「たす...けて...」

ライトを当てると
男の子が腰まで水に浸かっている

「今行きますから!」

ニアをワタリに預け
下へと降りる


するとそこには
痩せ細りほとんど骸骨に近い男の子がいた


「Tom...」

人の重さではないTomを抱えて
私は地上を目指した













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