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page.11 罪の代償





「Kate、ニアはどうだい?」
「ミルクを飲んでぐすっすり眠っています。とても元気な赤ちゃんですよ。」


婦人科へ行くと
ベッドでニアが眠っていた


「ニア...」


近くに寄り手を握る

「小さい...ですね...」


こんな小さな躯で
必死に生きているニア
自然と涙が滲んだ


「L紹介するよ、妻で産婦人科医のKateだ」
「初めまして。ドクターから話は聞いています。」
「...初めまして」

涙を見られたくなくて
俯いたまま挨拶をした


「L、ニアが目覚めたらKateに世話の仕方を教わると良いよ」
「そうですね。よろしくお願いします。」



気を利かせてくれたのか
ずっとニアを見ている私を残し
ドクターとKateは病室から退室してくれた


「ニアが目覚めたら、ナースコールで呼んでね」
「はい...」





「ニア.....」


ニアが物心ついた頃に母親がいないと知ったら
どういう反応をするだろうか

母はニアを産んですぐに亡くなったという事実は
幼い子供には酷過ぎる話だろう


「貴方の成長に合わせて...徐々に話していきますね...」


私がたった一度きり犯した過ちで
造ってしまった子供


Michelとの事は
出来る事なら誰にも言わないつもりだった

ずっと隠し通して
自然と忘れようと思った
しかし
神は赦してはくれない


避妊をしていなかったのだから
子供が出来て当たり前なのが現状だ

しかし私は
考えないようにしていた
たった一度きりで
子供など出来る筈がないと


しかし私の心も
神はお見通しだったのだ


罪を背負って生きろ

神にそう言われている気がする


私はニアの父親だ

もう後戻りは出来ない

ちゃんとニアを育てていく

悲しい過去を持つ子供だとしても

私の罪の塊だとしても


私はニアの父親だ

これだけは変わらない事実


「もし大きくなって出生の秘密を知っても、どうか心が折れない強い子に育って下さい...
Near...I love you...」


ニアの小さな手を握ったまま
眠ってしまった

ニアの手は暖かい...

血が繋がっているからなのだろうか...

手の温もりだけで...
こんなにも落ち着く...









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