page.11 罪の代償
産まれてすぐに
母を失ったニア
1991年8月24日
ニアの誕生日
Michelは...
今日が自分の命日だと分かっていた...?
このタイミングでニアを連れてきたのだから
Bに連れ去られたあの日
すでに寿命を告げられていたのだろう
「ニアに逢わせてくれて...ありがとうございます。Michel...」
産み落としてすぐに此処まで歩いてきたのだろう
「Michel....」
亡き母の頬にキスをして
ドクターNagiへと電話を掛けた
「L?どうしたんだい?」
「ドクター、すぐ来て下さい」
「分かった」
理由も聞かずに来てくれるドクターが好きだった
オギャー...
オギャー.....
生まれてから
まだミルクを与えられていないのだろう
ニアは先程から
泣いてばかりだ
「すみませんニア...今ドクターが来ますから...」
「オギャー...」
電話をしてから10分後
ドクターがハウスへ到着した
「L、大丈夫かい?」
「私は大丈夫なのですが...」
「.......!」
流石のドクターも
生まれたばかりの赤ん坊と
遺体をいっぺんに見たら驚くだろう
「L...その子はMだろう?」
「すみませんドクター...間に合いませんでした...」
「兎に角、遺体を病院へ運ぼう。死亡診断書等の事もあるからね。」
「はい...
ニア..赤ん坊はどうしたら...
まだミルクもあげていない状態で、泣き止まないのです...」
「一緒に病院へ。
婦人科のナースに、ミルクを作っておくように連絡しよう。」
「ありがとうございます、ドクター。
恩に着ます...」
コツン...
「ドクター...?」
軽く頭を叩かれ
ドクターを見上げた
「L...心配で仕方ないんだろ?
俺には気を遣うな。」
「...はい...」
ドクターの暖かい笑顔が好きだった
ワタリ...
早く帰ってきて下さい...
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