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page.09 絶望の淵から...





「私はあの夜...
最大の罪を犯しました...
...Mを母だと思い込み、抱いたのです...」
「L....」


「最初は拒んでいたんです...
しかし声を聞いているうちに...
闇に囚われてしまいました...」
「避妊はしたのですか?」
「......」


私は
首を振るしかなかった


「Mがもし妊娠してしまったら...
私の罪は本当に消えないでしょう...
不幸な子供を増やしてしまう事になる...」


過ぎてしまった事を悔やんでも
どうにもならない

だから私は
一生この罪を背負っていこう



私が子供の名前を決めるなんて
許される行為ではないだろう


もし生まれて来てくれたら
付けたい名前がある
でも今は
まだ秘密だ
「もしLの子供が生まれたら、さぞ優秀なんでしょうね。
逢ってみたいものです」
「なっ...人が真剣に悩んでいる時に!」
「笑って下さい、L...」



私はワタリに抱き付いていた


「ワタリ...本当は...恐くて仕方がないんです...」
「L...」

「母の死からBの逃走まで...
ずっと恐かったんです...
ワタリ...側に..いて下さい...」



ワタリは声にならない声で
「はい」
と言ってくれた


二人で沢山泣いた


これから私とワタリは
本当に運命共同体だ


信じています
ワタリだけを...


世界中の人々が違うと言っても
ワタリだけが賛成してくれれば
私はワタリの言うことを信じます



ワタリがいてくれて
本当に良かった














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