page.09 絶望の淵から...
病室に入ると
ワタリは既に目覚めていて
ベッドから上半身を起こしていた
「ワタリ、寝ていないと駄目じゃないですか」
「L、こちらへ」
手招きされるままにワタリの側へ寄る
「何年振りでしょうか。Lとこんな近くで話をしたのは」
「...いつも私は近くにいるじゃないですか」
「心は遠かったです...」
「ワタリ...」
「BやMが来てから、Lが遠いのです...」
「.......」
「全部話して下さい...私も知っている事の全てをお話します」
「....分かりました。では、私から話します」
ワタリの手を握ったまま
私は静かに話し始めた
何から言ったら良いのかまとまらず
思い付いた事から順に話していった
「Bは死神です。
そして私の父を暗殺したのは、Bの父...Haward=Birthdayです。
そして...BはHawardを殺害し、家を出た」
「殺した理由は何と...?」
「Bは私の父に憧れていた。
だから憧れているJackを暗殺した父が、憎かったと」
「それだけですか?」
「あの日が、Hawardの寿命だと言っていました。
Bには人の寿命が見えるのです」
「そんな事が...」
「ハウスに来たあの日から、Bは私を脅したり試したり、慰めたりと、滅茶苦茶な行動を取っていました。
"L"との事件の前に、私もBから寿命を告げられました。
...彼は死神です。
ただ、一つ気に掛かっている事が...」
「..というと?」
「Jackの息子である私の力が見たいと、Bはハウスにやってきたのです。
しかし...本当にこれだけの理由なのでしょうか...?」
「まだBは、全ての事を話していませんね。」
「ワタリ..やはり何か知っているんだな?」
「後程お話しますよ。続けて下さい」
「はい。
Bに関する点はこのくらいです。
次はMの件ですが...」
「大丈夫ですか?L」
「彼女は...
私の亡き母にそっくりなのです...
容姿だけでなく、声や香りまでも...」
「闇に囚われましたか...?」
.