｢咲耶先輩。その、楽士の皆さんってドールP名があるじゃないですか。それって僕もいるんですかね｣
｢あー、うん。いるかも。……なんか考えてる？｣
｢何も考えてないから相談したんです｣
｢だよねぇ……うーん、そうだなぁ……○○Pとかそういうんじゃなくてもさ、ほら、ミレイはまんま名前だし……シャドウナイフもあれは何だっけかな、なんか……なんかのキャラって言ってた。そういうのでいいんじゃないの？｣
｢……うーん｣
｢…あー………んー………響鍵介……ひびき…いや、……けんすけ……けん、…ケンケン？｣
｢それは嫌です｣
｢分かってるよ！えーっと……ってかさ、鍵介もちゃんと考えてる？これあんたのだからね言っとくけど｣
｢はいはい、考えてますよー。なーんも浮かばないので恐れながら先輩の知恵を拝借しようとしてるんじゃないですかぁ｣
｢うわ、調子いい。ったく、手のかかる後輩だよねほんと！……ええ、えー……鍵介……けんすけ……｣
｢……ていうか、名前縛りじゃなくても別に｣
｢あーっ！分かった！来た！いいの思いついた！！｣
｢うわっ！何ですかいきなり……近くで大きな声出さないでくださいよ、先輩声大きいんですから｣
｢や、ごめん……でもめっちゃいいの思いついたから！｣
｢はあ……ケンケンの次はヒビケンですか？｣
｢だから違うって！あのね……カギPってのは？｣
｢は……カギP……？｣
｢そう！ほら、鍵介の『鍵』って『かぎ』とも読めるでしょ？そこから取ってカギP！どう？イケてるでしょ結構！｣
｢イケてるかどうかは置いといて……カギPか……うん、悪くないですね。結構好きですよ、僕｣
｢マジで！？やった！それじゃ、鍵介は今日からカギPね！よろしく、カギP！｣