おれちゃん!
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さとしが部屋でくつろいでいるとインターホンが鳴った。
カメラを確認すれば見知った人物が映るも、いつもと姿が違う。急いでドアを開けに行き、目の前の人物を凝視する。
「ブラック…なんでまた子どもになってるの!?」
「ダイちゃんと遊ぶんです」
ブラックは平然と言った。
さとしの家に来る前のこと。ブラックは死神のダイダイにもう一度勝負を挑まれ、人間の子どもの姿にされたのだ。それも、以前はさとしと同じくらいだったのに今回はさらに幼く、7、8歳の男の子に見える。
服装は普段のブラックと少しだけ違うが、黒に再生マークなのは変わらない。大きな違いといえば、再生マークの数が二つ、ズボンからは足首が覗き、黒目に光が入っていることくらいか。
「あのデスゲームするのぉ!?」
「まあ、まだ時間があるので…」
ひいい、と泣き顔になるさとしを気にすることなく答えているとインターホンが鳴る。ブラックがドアを開けると、回覧板を持ったギンが立っていた。
(!…これは面白いことになるかもしれませんね)
食い入るように自分を見つめるギンに、悪戯心が芽生える。
ギンが驚いた顔でゆっくりと口を開く。
「……ブラックさんって子どもがいたの…?」
その言葉に、さとしがお腹を抱えて笑いだした。
「ギンねえちゃん、違うよ。ブラックの子どもじゃなくてブラッ…痛い!?」
「弟です。ね、さとくん」
何食わぬ顔でさとしの横っ腹をギュム、とつまむ。さとしが苦痛の表情で睨むも、強さが増すばかりだ。
「あ"あ"あ"くま!そうだったそうでしたァ!」
ギンはブラックの子どもではなく弟だという情報を処理するのに忙しく、さとしとブラックのやりとりには気付かずにいた。
「弟くんかぁ!ブラックさんにそっくりだね。名前はなんていうの?」
「……。ブラックです。魔界では兄弟でも同じ名前はよくあります」
「そうなんだ?じゃあブラックくんだね」
(簡単に信じちゃいましたねえ!)
ブラックは心の中で笑う。回覧板をさとしに渡し帰ろうとするギンの腕を掴み、笑顔で見上げた。
「一緒に遊びましょう!ギンお姉ちゃん」
ブラックの提案を了承したことにより、三人でテレビゲームをすることになった。
遊んでいるのは、相手の車にくっついている風船をアイテムで割っていくゲーム。
「それにしても、ブラックさんに弟がいたなんて。さとしくんいつから知ってたの?」
さとしがブラックに目を向けると、無言で凝視され汗が頬を伝う。
「ンンッ、おれも最近知ったんだよね…」
なぜギンに嘘をつくのかわからず、さとしは呆れた声でこたえるのが精一杯だ。
「そっか。ビックリだよねぇ。あー!負けた。ブラックくん強いね」
「ギンお姉ちゃんは弱いですねぇ。さとくんはザコすぎです」
なかなか風船が割れないさとしをブラックはからかう。
さとしは苛立ちながら「うるさいなぁ」と言うと、おやつを用意しに部屋を出ていった。
さとしを待つ間、二人は共通の話題へと移る。
「ブラックさんとは普段どんなことしてるの?」
その質問に、ブラックは一瞬考えてからギンの側に近寄る。そして背中を向け、内股座りをするギンの膝に座り込んだ。
「こーやって、抱っこしてもらってます!」
後ろを振り向き、ギンを見てニコリと笑う。
「えっあ、だ、抱っこ?」
(カカカッ。その動揺する顔、鬼ヤバですよ)
「はい!ギンお姉ちゃんもしてくれますよね…?」
ギンは見つめられ、言われるがまま腕を回した。
「もっと強くで~す」
「こ、こう?」
ブラックが甘えるように言うと、ギンはさっきよりも力を込め抱き締める。ブラックの背中とギンのお腹がくっつき、逆立つ髪がギンの首元をふわふわとくすぐる。
もしブラックが子どもだったらこんな感じなのかな、とギンは自分の膝に座るブラックを見て思う。
「ブラックくん可愛いね…って、こんなこと言ったら失礼かな。ごめんね」
「……。いえ」
ギンに頭を撫でられ、ブラックの表情が僅かに固まった。
「ギンお姉ちゃんは、ブラックお兄ちゃんとどういう関係なんですか?」
「どうって…ただの知り合いだよ。私がさとしくんと仲良くて、さとしくんとブラックさんが仲良しだから。それで知り合ったの」
(ただの知り合いですか……)
ブラックは少しだけ俯き、モゾリと動くとギンの手をきゅっと握る。
「じゃあブラックお兄ちゃんのこと、どう思ってます?」
「ええ?そうだなぁ。うーん。怖いけど優しいというか、素敵な人…悪魔か。うん、素敵だなって思ってるよ。もっと知りたいし仲良くなりたいな」
ギンの言葉に、ブラックの口角が上がっていく。
(真面目に答えちゃって可愛いですねぇ。もう少しからかってみましょうか)
「ギンお姉ちゃんって、甘い匂いがしますね」
すんすん、と匂いを嗅ぐので、ギンの鎖骨には幼いブラックの頬がプニ、と押し当てられる。
「そう?恥ずかしいよ~」
いつの間にかブラックの体は正面を向き、ギンに抱きついていた。
(これはシャンプー…いえ、香水でしょうか。あと少しだけ…良いですよね?)
ふわりと空気が動き体が離れたかと思うと、ブラックはギンの肩に両手を添え、その頬にちゅ、と音をたてキスをする。
「おれちゃん、ギンお姉ちゃんのこと好きになっちゃいました…!!」
ブラックは上目使いで恥ずかしそうに言った。
ギンが頬を赤らめ固まっていると、突如大きな音がし部屋の窓ガラスが割れる。
「おらーーっ!ブラック!約束だぞ。もう一度オレっちと勝負だ!」
大声と共に現れたのは死神系ヨーチューバーであるダイダイ。魔方陣のような物に乗り、二人の前に立つ。
「え?ブラック、て…」
「あらー。バレちゃいましたねぇ」
ブラックはニヤニヤ笑い、ギンの膝からおりた。
(もう少しギンさんと遊びたかったですが…)
「いいですよ!では約束通り、元に戻してもらってから場所を変えましょう」
ダイダイとギンの間に立つと、ブラックの体が元に戻った。
「え、え…!?本当にブラックさんだったんですか?」
ブラックは顔をギンの方に向け、気にすることなく返事をする。
「はい」
「だって、ブラックくんは目に光がありましたよ!?ブラックさんはないですよね!」
「オレちゃん失礼な事言われてます?」
自分を無視した二人の様子に、ダイダイはイライラした様子で言う。
「まだか!?いい加減にしろ!ソイツも子どもにしてやるぞ!」
ボウッと煙のようなドクロマークが現れ、ギンの体を突き抜けた。
「っ!…ギンさん!」
ブラックが目を見開き見つめる先には、先ほどのブラックと同じくらいの女の子になったギンがいた。
「なにこれ…」
呆然とするギンを、ブラックは新しいおもちゃを見つけた悪い子どもの笑顔で抱き上げる。
「小さいですねえ~!ホーラ高い高~い」
「ちょっと、やめてくださいっ」
「肩車もしちゃいまーーす!」
ポスンと自分の肩に乗せ、部屋をグルグルと走り出す。ブラックに掴まれていないギンは、体がぐらぐら揺れ今にも落ちそうだ。
「怖いいい!!」
ギンはブラックの頭にしがみつき、子どもになったという状況に理解が追い付かず半泣きで叫ぶ。
「あらら」
ブラックは足を止める。
そこに、お菓子と飲み物を持ったさとしが部屋に入ってきた。
「ねえ凄い音したんだけど…って窓割れてるーー!?」
「踏んじゃ駄目ですよ、さとくん」
「どうしてくれるんだよ!!」
「カーッカカカ」
割れた窓ガラスの散らばる部屋を見て、さとしまでもが泣き出す始末。ブラックは大笑いし眺めている。
「オレっちを無視して遊ぶなっ!!」
ダイダイが叫び、ブラックの視線が移動する。
「このままのギンさんも良いですが…元に戻してください。約束が変わってしまいます」
ギンを抱き抱え、ブラックは威圧する。
「ね。ダイちゃん」
「ちゃんづけで呼ぶんじゃねえ!…くっ。わかったよ!」
腕の中で元の姿に戻り、ブラックと至近距離で目が合う。ギンは慌てて目を反らし腕からおりた。
「じゃ、オレちゃんたちこれから動画の撮影があるので」
ブラックが窓から飛んでいき、ダイダイはそれを追いかけ出ていった。
窓ガラスが散乱する部屋を見て、ギンとさとしは立ちすくむ。
「…おれの部屋が…」
「と、とりあえずガラスは私が片付けるよ。その後は私の家においで」
「うん……」
落ち込むさとしを慰め、二人は部屋の掃除をするのだった。
「ところでダイちゃん。次は人間を幼児くらいにすることってできます?」
「ダイちゃんって言うな!…別に何歳でもできるけどよ」
「カカカ……それは鬼ヤバですねぇ」
(まあ、どんなギンさんも可愛らしいですけど……今度はどう遊びましょうか)
ブラックは口から赤い舌を覗かせ、ニヤリと笑った。
カメラを確認すれば見知った人物が映るも、いつもと姿が違う。急いでドアを開けに行き、目の前の人物を凝視する。
「ブラック…なんでまた子どもになってるの!?」
「ダイちゃんと遊ぶんです」
ブラックは平然と言った。
さとしの家に来る前のこと。ブラックは死神のダイダイにもう一度勝負を挑まれ、人間の子どもの姿にされたのだ。それも、以前はさとしと同じくらいだったのに今回はさらに幼く、7、8歳の男の子に見える。
服装は普段のブラックと少しだけ違うが、黒に再生マークなのは変わらない。大きな違いといえば、再生マークの数が二つ、ズボンからは足首が覗き、黒目に光が入っていることくらいか。
「あのデスゲームするのぉ!?」
「まあ、まだ時間があるので…」
ひいい、と泣き顔になるさとしを気にすることなく答えているとインターホンが鳴る。ブラックがドアを開けると、回覧板を持ったギンが立っていた。
(!…これは面白いことになるかもしれませんね)
食い入るように自分を見つめるギンに、悪戯心が芽生える。
ギンが驚いた顔でゆっくりと口を開く。
「……ブラックさんって子どもがいたの…?」
その言葉に、さとしがお腹を抱えて笑いだした。
「ギンねえちゃん、違うよ。ブラックの子どもじゃなくてブラッ…痛い!?」
「弟です。ね、さとくん」
何食わぬ顔でさとしの横っ腹をギュム、とつまむ。さとしが苦痛の表情で睨むも、強さが増すばかりだ。
「あ"あ"あ"くま!そうだったそうでしたァ!」
ギンはブラックの子どもではなく弟だという情報を処理するのに忙しく、さとしとブラックのやりとりには気付かずにいた。
「弟くんかぁ!ブラックさんにそっくりだね。名前はなんていうの?」
「……。ブラックです。魔界では兄弟でも同じ名前はよくあります」
「そうなんだ?じゃあブラックくんだね」
(簡単に信じちゃいましたねえ!)
ブラックは心の中で笑う。回覧板をさとしに渡し帰ろうとするギンの腕を掴み、笑顔で見上げた。
「一緒に遊びましょう!ギンお姉ちゃん」
ブラックの提案を了承したことにより、三人でテレビゲームをすることになった。
遊んでいるのは、相手の車にくっついている風船をアイテムで割っていくゲーム。
「それにしても、ブラックさんに弟がいたなんて。さとしくんいつから知ってたの?」
さとしがブラックに目を向けると、無言で凝視され汗が頬を伝う。
「ンンッ、おれも最近知ったんだよね…」
なぜギンに嘘をつくのかわからず、さとしは呆れた声でこたえるのが精一杯だ。
「そっか。ビックリだよねぇ。あー!負けた。ブラックくん強いね」
「ギンお姉ちゃんは弱いですねぇ。さとくんはザコすぎです」
なかなか風船が割れないさとしをブラックはからかう。
さとしは苛立ちながら「うるさいなぁ」と言うと、おやつを用意しに部屋を出ていった。
さとしを待つ間、二人は共通の話題へと移る。
「ブラックさんとは普段どんなことしてるの?」
その質問に、ブラックは一瞬考えてからギンの側に近寄る。そして背中を向け、内股座りをするギンの膝に座り込んだ。
「こーやって、抱っこしてもらってます!」
後ろを振り向き、ギンを見てニコリと笑う。
「えっあ、だ、抱っこ?」
(カカカッ。その動揺する顔、鬼ヤバですよ)
「はい!ギンお姉ちゃんもしてくれますよね…?」
ギンは見つめられ、言われるがまま腕を回した。
「もっと強くで~す」
「こ、こう?」
ブラックが甘えるように言うと、ギンはさっきよりも力を込め抱き締める。ブラックの背中とギンのお腹がくっつき、逆立つ髪がギンの首元をふわふわとくすぐる。
もしブラックが子どもだったらこんな感じなのかな、とギンは自分の膝に座るブラックを見て思う。
「ブラックくん可愛いね…って、こんなこと言ったら失礼かな。ごめんね」
「……。いえ」
ギンに頭を撫でられ、ブラックの表情が僅かに固まった。
「ギンお姉ちゃんは、ブラックお兄ちゃんとどういう関係なんですか?」
「どうって…ただの知り合いだよ。私がさとしくんと仲良くて、さとしくんとブラックさんが仲良しだから。それで知り合ったの」
(ただの知り合いですか……)
ブラックは少しだけ俯き、モゾリと動くとギンの手をきゅっと握る。
「じゃあブラックお兄ちゃんのこと、どう思ってます?」
「ええ?そうだなぁ。うーん。怖いけど優しいというか、素敵な人…悪魔か。うん、素敵だなって思ってるよ。もっと知りたいし仲良くなりたいな」
ギンの言葉に、ブラックの口角が上がっていく。
(真面目に答えちゃって可愛いですねぇ。もう少しからかってみましょうか)
「ギンお姉ちゃんって、甘い匂いがしますね」
すんすん、と匂いを嗅ぐので、ギンの鎖骨には幼いブラックの頬がプニ、と押し当てられる。
「そう?恥ずかしいよ~」
いつの間にかブラックの体は正面を向き、ギンに抱きついていた。
(これはシャンプー…いえ、香水でしょうか。あと少しだけ…良いですよね?)
ふわりと空気が動き体が離れたかと思うと、ブラックはギンの肩に両手を添え、その頬にちゅ、と音をたてキスをする。
「おれちゃん、ギンお姉ちゃんのこと好きになっちゃいました…!!」
ブラックは上目使いで恥ずかしそうに言った。
ギンが頬を赤らめ固まっていると、突如大きな音がし部屋の窓ガラスが割れる。
「おらーーっ!ブラック!約束だぞ。もう一度オレっちと勝負だ!」
大声と共に現れたのは死神系ヨーチューバーであるダイダイ。魔方陣のような物に乗り、二人の前に立つ。
「え?ブラック、て…」
「あらー。バレちゃいましたねぇ」
ブラックはニヤニヤ笑い、ギンの膝からおりた。
(もう少しギンさんと遊びたかったですが…)
「いいですよ!では約束通り、元に戻してもらってから場所を変えましょう」
ダイダイとギンの間に立つと、ブラックの体が元に戻った。
「え、え…!?本当にブラックさんだったんですか?」
ブラックは顔をギンの方に向け、気にすることなく返事をする。
「はい」
「だって、ブラックくんは目に光がありましたよ!?ブラックさんはないですよね!」
「オレちゃん失礼な事言われてます?」
自分を無視した二人の様子に、ダイダイはイライラした様子で言う。
「まだか!?いい加減にしろ!ソイツも子どもにしてやるぞ!」
ボウッと煙のようなドクロマークが現れ、ギンの体を突き抜けた。
「っ!…ギンさん!」
ブラックが目を見開き見つめる先には、先ほどのブラックと同じくらいの女の子になったギンがいた。
「なにこれ…」
呆然とするギンを、ブラックは新しいおもちゃを見つけた悪い子どもの笑顔で抱き上げる。
「小さいですねえ~!ホーラ高い高~い」
「ちょっと、やめてくださいっ」
「肩車もしちゃいまーーす!」
ポスンと自分の肩に乗せ、部屋をグルグルと走り出す。ブラックに掴まれていないギンは、体がぐらぐら揺れ今にも落ちそうだ。
「怖いいい!!」
ギンはブラックの頭にしがみつき、子どもになったという状況に理解が追い付かず半泣きで叫ぶ。
「あらら」
ブラックは足を止める。
そこに、お菓子と飲み物を持ったさとしが部屋に入ってきた。
「ねえ凄い音したんだけど…って窓割れてるーー!?」
「踏んじゃ駄目ですよ、さとくん」
「どうしてくれるんだよ!!」
「カーッカカカ」
割れた窓ガラスの散らばる部屋を見て、さとしまでもが泣き出す始末。ブラックは大笑いし眺めている。
「オレっちを無視して遊ぶなっ!!」
ダイダイが叫び、ブラックの視線が移動する。
「このままのギンさんも良いですが…元に戻してください。約束が変わってしまいます」
ギンを抱き抱え、ブラックは威圧する。
「ね。ダイちゃん」
「ちゃんづけで呼ぶんじゃねえ!…くっ。わかったよ!」
腕の中で元の姿に戻り、ブラックと至近距離で目が合う。ギンは慌てて目を反らし腕からおりた。
「じゃ、オレちゃんたちこれから動画の撮影があるので」
ブラックが窓から飛んでいき、ダイダイはそれを追いかけ出ていった。
窓ガラスが散乱する部屋を見て、ギンとさとしは立ちすくむ。
「…おれの部屋が…」
「と、とりあえずガラスは私が片付けるよ。その後は私の家においで」
「うん……」
落ち込むさとしを慰め、二人は部屋の掃除をするのだった。
「ところでダイちゃん。次は人間を幼児くらいにすることってできます?」
「ダイちゃんって言うな!…別に何歳でもできるけどよ」
「カカカ……それは鬼ヤバですねぇ」
(まあ、どんなギンさんも可愛らしいですけど……今度はどう遊びましょうか)
ブラックは口から赤い舌を覗かせ、ニヤリと笑った。