ハッと目が覚めて辺りを見渡す。

自分が寝ていた隣を見ると隣で寝ている可愛い可愛い彼を見つける。
サラサラな黒と白のツートンカラーの髪の毛。いつも飄々としてるのに寝ている姿は天使そのもの。
そんな無防備な彼に我慢できなくなり頬に口づけをする。
私の唇の感触があったからだろう、「んぅ…」と言って寝返りを打つ彼がまた可愛くて更に口付けしようとする自分を抑える。

この天使のような彼、あさぎりゲンは私の恋人。今日も可愛い彼の頭をひと撫でして立ち上がり外に出る事にした。

外は結構明るく、すれ違ったスイカに「葵はいっつもお寝坊さんなんだよー！」と言われた。時間は外の太陽が出てる具合を見て、そうだな。10時ぐらいか…

「いや、もう昼だぞバカ。いつまで寝てんだ、サッサと仕事をしろ」

まるで私の脳内を呼んだかのように私に話しかける千空にとりあえず挨拶をする。

「おう、葵！そういや、ゲンのやつはまだ寝てんのか？」

「まだ寝てると思うよ。気になるなら覗いてくればーー…」

そこで自分の発言に気がつき慌てて口を抑える。
この私の奇妙な行動に、たじろぎつつ「どうしたんだ？」と聞かれたので、「前言撤回。寝てる子を起こすのはやめよう」と答えると「なんでだ？」と反感の声が聞こえてきたので更に続ける。

「だって、寝ているゲンだよ！？あんな天使みたいな寝顔見たら誰でもきっと襲っちゃっ、、痛い！！」
「葵ちゃん、ジーマーで声が大きいし恥ずかしいし誰も襲わないでしょ。」

私を小突いた天使が私をシド目で睨んできていたがそんな顔をするゲンもまた可愛い。

「あﾞー、やっと起きたか。ほら、働け」
「ちょちょ、千空ちゃん、乱暴に扱わないで！！？」

と千空に首根っこ掴まれてズルズル引きずられるゲンに手を振る。

語彙力は昔から無い方だがゲンの可愛さはどれだけ語彙力のある人でも語れないと思う。それぐらい可愛い人間だ。


自分の今日やるべきタスクを終えてゲンの元に駆け寄る。

「どーしたの、葵ちゃん。まさかもう仕事終えた感じ？」

「終えた感じ。手伝おうか？」

「ジーマーでありがたいけど大丈夫。葵ちゃんは先に休んでて」

「お気遣いどうも。でも2人でやった方が早くない？とりあえず手伝わせて」

そう言いゲンの今日のタスクを手伝い部屋に戻る。

「はあーっ、今日も千空ちゃんはスパルタだったなあ…」

戻るなりぺたんと床に座った彼の肩にもたれかかるように私も座る。

「いや〜、葵ちゃんがあそこで手伝ってくれなかったらきっと倒れてたよ、ジーマーでありがとね」

そう言って微笑む彼の頬に軽く口付けをすると、またしてもジト目で私を見つめてくるゲン。
そんなゲンの機嫌を損なわないよう彼の頭を撫でる。

「葵ちゃんってば子供扱いしてない？」

「してないしてない」

否定はしつつも依然可愛い態度を取ってくれる彼の頭を撫で続け今度は耳に軽く口付けをする。

「ちょっ、葵ちゃん。ダメだって」

私を阻止しようとする彼を無視して顔を近づけ次は彼の唇に口付けをする。

「俺の話を聞いて？」

「聞かない。」

そう言ってもう一度顔を近づけると反射的に目を瞑る彼が可愛くてワザとキスをする手前で止める。

目を恐る恐る開けた彼に「期待したの？」ってにやつきながら聞くと頭を横に振ったが顔は少し赤く、こういう反応されちゃうと更にいじめたくなるんだよなあ、なんて思いながら。