短編夢集
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風邪を引いてしまった。最悪だ。
馬鹿は風邪を引かない、とか言うからきっと私は馬鹿じゃないんだろうなあ…など考えながら今の時間を知ろうと部屋の時計を見る。
今は12時…昼ごはんの時間か。
そもそもなぜ風邪を引いてしまったのかというと、今日と明日テストがあり、一夜漬けで覚えてしまおうとした結果がこうなってしまった。
どれだけ覚えても風邪を引いてしまっては無意味。ある種馬鹿だな。
ピンポーン、とチャイムの音が聞こえ、動きたくはないのだが、今は両親と兄は仕事と学校に出ており家には私しかいない。
重たい身体を引きずりながらインターホンに目を移すとそこに映っていたのは。
「お見舞いにきたよ、葵ちゃん!」
杠だ!そうか、午前中のみテストだから学校も終わったんだな…と思いすぐに玄関に向かい鍵を開ける。
「大丈夫?ごめんね、風邪でキツイのに開けてくれて…」
「ううん、こっちこそ。部屋着でごめんね。」
食材の入った袋を杠が持っていたので恐る恐る聞いてみたら案の定私の為にご飯を作ってくれるらしい。やった!
「ほら、葵ちゃんはゆっくり休んで。ご飯できたら持ってくるね」
そう言って私の部屋のドアをゆっくり閉めた杠。
ああ、杠みたいな女の子になりたい…
可愛くって料理、裁縫ができる、いかにも女の子って子に。
そしてふと思う。千空も杠みたいな子が好きなんだろうか…と。
恋愛沙汰には一切の興味もなく、科学のことしか頭にない彼にもいずれか好きな人ができて、恋をして…
そう考えると不思議と涙が出てきた。まあ、熱でやられているせいだと思うんだけど。
とりあえず寝よう。そう思い布団を被った。
ガチャっとドアの開く音がして私は重たい瞼を開きドアの方向を向く。
熱が更に上がったのか、頭がぼーっとするし、目がぼやぼやして誰だか分からないけど杠だろう。……あれ、杠って茶髪じゃなかったっけ。そう思いながらも小鍋を持ってきてくれた杠らしき子に「ありがとう」と告げる。
だが、その杠らしき人は鍋を私の部屋の机に置き去って行こうとしたのでつい声をかけてしまった。
近づいて来るその人が杠だと自分に言い聞かせながら、重たい上半身を起こし
「今机に向かうのもキツイから食べさせてほしい」とお願いをした。
すると杠らしき人が「待ってろ」と言い残し部屋を出て行き、次に部屋に入ってきたのは茶髪の人だった。
優しい声。きっとこの人が杠だ。
流石に食べさせてもらうのは恥ずかしくなり、蓮華に一口分のおかゆを掬い食べながら考えていたことが1つあった。
誰が鍋をここまで運び、私は誰に食べさせてほしいとお願いしたんだろうか。
家族は全員仕事と学校だ。
杠は今ここにいるし、さっきの人とは声も違う…
考えようとしても今の私の頭はまるで使い物にならない。そう思い側で見守ってくれている彼女に聞いた。
「ねえ、杠。さっき鍋を私の部屋に運んでくれた人って誰?」
「千空くんだよ。」
「ああ、千空か!どおりでぶっきらぼうな声だったーー……えっ、千空!???」
杠の口から出た名前にびっくりしてつい大声を出してしまった。
「わお、びっくりした…大樹くんと千空くんもお見舞いに…あっ、ほら」
ほら、と言われドアの方を向くと私の大声にダッシュで駆けつけてきて案の定不安の表情を浮かべる大樹と、めんどくさそうに階段を上がってきて立っている千空がいた。
「大丈夫か、葵!!!何かあったのか!!?」
「ったく、病人は大人しく寝てやがれ」
本当に千空と大樹だ!わー、嬉しい!とか思う以前の問題。
私は千空にお願いをしたということ…?
改めて考え直し顔がだんだん熱くなるのを感じた。全身も熱いような……
「わっ、葵ちゃん!」
身体を支えるのが困難になりそのまま私は布団に顔ごとダイブした。
「葵ー!!今ちゃんと寝かしてやるからな!!」
「デカブツ、病人の前で大声を出すな」
布団まで被せてくれた大樹にお礼を言い、「後はしっかり寝てね」と杠に言われドアがパタンと閉まる。
風邪が治ったら3人にはお礼と…千空には謝罪とか、今度の実験は必ず手伝うようにしよう。
そう思い私は瞼を閉じた。
馬鹿は風邪を引かない、とか言うからきっと私は馬鹿じゃないんだろうなあ…など考えながら今の時間を知ろうと部屋の時計を見る。
今は12時…昼ごはんの時間か。
そもそもなぜ風邪を引いてしまったのかというと、今日と明日テストがあり、一夜漬けで覚えてしまおうとした結果がこうなってしまった。
どれだけ覚えても風邪を引いてしまっては無意味。ある種馬鹿だな。
ピンポーン、とチャイムの音が聞こえ、動きたくはないのだが、今は両親と兄は仕事と学校に出ており家には私しかいない。
重たい身体を引きずりながらインターホンに目を移すとそこに映っていたのは。
「お見舞いにきたよ、葵ちゃん!」
杠だ!そうか、午前中のみテストだから学校も終わったんだな…と思いすぐに玄関に向かい鍵を開ける。
「大丈夫?ごめんね、風邪でキツイのに開けてくれて…」
「ううん、こっちこそ。部屋着でごめんね。」
食材の入った袋を杠が持っていたので恐る恐る聞いてみたら案の定私の為にご飯を作ってくれるらしい。やった!
「ほら、葵ちゃんはゆっくり休んで。ご飯できたら持ってくるね」
そう言って私の部屋のドアをゆっくり閉めた杠。
ああ、杠みたいな女の子になりたい…
可愛くって料理、裁縫ができる、いかにも女の子って子に。
そしてふと思う。千空も杠みたいな子が好きなんだろうか…と。
恋愛沙汰には一切の興味もなく、科学のことしか頭にない彼にもいずれか好きな人ができて、恋をして…
そう考えると不思議と涙が出てきた。まあ、熱でやられているせいだと思うんだけど。
とりあえず寝よう。そう思い布団を被った。
ガチャっとドアの開く音がして私は重たい瞼を開きドアの方向を向く。
熱が更に上がったのか、頭がぼーっとするし、目がぼやぼやして誰だか分からないけど杠だろう。……あれ、杠って茶髪じゃなかったっけ。そう思いながらも小鍋を持ってきてくれた杠らしき子に「ありがとう」と告げる。
だが、その杠らしき人は鍋を私の部屋の机に置き去って行こうとしたのでつい声をかけてしまった。
近づいて来るその人が杠だと自分に言い聞かせながら、重たい上半身を起こし
「今机に向かうのもキツイから食べさせてほしい」とお願いをした。
すると杠らしき人が「待ってろ」と言い残し部屋を出て行き、次に部屋に入ってきたのは茶髪の人だった。
優しい声。きっとこの人が杠だ。
流石に食べさせてもらうのは恥ずかしくなり、蓮華に一口分のおかゆを掬い食べながら考えていたことが1つあった。
誰が鍋をここまで運び、私は誰に食べさせてほしいとお願いしたんだろうか。
家族は全員仕事と学校だ。
杠は今ここにいるし、さっきの人とは声も違う…
考えようとしても今の私の頭はまるで使い物にならない。そう思い側で見守ってくれている彼女に聞いた。
「ねえ、杠。さっき鍋を私の部屋に運んでくれた人って誰?」
「千空くんだよ。」
「ああ、千空か!どおりでぶっきらぼうな声だったーー……えっ、千空!???」
杠の口から出た名前にびっくりしてつい大声を出してしまった。
「わお、びっくりした…大樹くんと千空くんもお見舞いに…あっ、ほら」
ほら、と言われドアの方を向くと私の大声にダッシュで駆けつけてきて案の定不安の表情を浮かべる大樹と、めんどくさそうに階段を上がってきて立っている千空がいた。
「大丈夫か、葵!!!何かあったのか!!?」
「ったく、病人は大人しく寝てやがれ」
本当に千空と大樹だ!わー、嬉しい!とか思う以前の問題。
私は千空にお願いをしたということ…?
改めて考え直し顔がだんだん熱くなるのを感じた。全身も熱いような……
「わっ、葵ちゃん!」
身体を支えるのが困難になりそのまま私は布団に顔ごとダイブした。
「葵ー!!今ちゃんと寝かしてやるからな!!」
「デカブツ、病人の前で大声を出すな」
布団まで被せてくれた大樹にお礼を言い、「後はしっかり寝てね」と杠に言われドアがパタンと閉まる。
風邪が治ったら3人にはお礼と…千空には謝罪とか、今度の実験は必ず手伝うようにしよう。
そう思い私は瞼を閉じた。