トリプルフェイスとキスをする
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包帯でぐるぐる巻きになった恋人は、それでも機嫌よくにこにこしている。大急ぎで病院に担ぎ込んだ彼は骨折打撲擦り傷切り傷火傷と怪我の限りを尽くしており、お医者様を絶句させた。なんですぐ来なかったんですかと怖い顔で凄まれても聞こえないふりをする根性はいっそ見上げたものだ。お医者様に「なんでこの人動けてたんです?」と聞くと「ランナーズハイってご存知ですか」と返された。
「なあ、腹減った」
「……はあ、そうですか。目の前のご飯食べていいんですよ。…左手使えるなら、昨日の時点で言ってください」
昨日は利き手が塞がっているのを理由に非常に照れながらの「あ~ん♡」イベントが発生したが今日はそうはいかない。帰り際に彼の部下だという男性から「降谷さんは両利きですよ」と聞き、愕然としたのは記憶に新しい。
「いいだろ、このくらい労ってくれても」
「ぅう~~~~~…零さんずるい…。それ言ったら私が何にも言えなくなるのわかってるでしょう…」
カラカラと笑う。くそう、直視できないくらいかっこいいぞ。どうやら私は、安室透やあのBarでの彼よりさっぱりとしていて男らしい降谷零が好みらしい。
「飲み物は口移しがいい」
「……人が来ますから」
「午後の検温は少し先、今日は来客の予定はない、急用なら俺の立場上事前に連絡がある、そもそも今の俺は基本的に面会謝絶。まだ理由が必要か?」
声にならない呻きを上げて彼のベッドの端に伏せる。大きな手が髪を乱す。顔は隠せるけれど耳が赤いのはばれてるだろうな。とてもとても恥ずかしい。そろそろと顔を上げると彼は満足げというか楽しげと言うか、微笑ましいような勝ち誇ったような顔でこちらを見ていた。彼の幼いころを知らない私だが、きっとこの顔は小さいころから変わってないんだろうな、と、そんなことを思った。かっこよすぎて自分のおかれた立場も忘れて許しそうになる。ああもう、どうするのが正解なんだ。
「んっ、意外と、少女漫画的ですね」
「よし、分かった。退院したら覚悟しとけよ」
悪い顔で笑う男。近すぎて顔がぼやける。思わず目を閉じた。
「つ、んん、っふぅっ・・・!」
「っふ、飲めないって…」
楽しくてたまらないといいそうな声だ。厚みのある舌が器用に唇をなめた。体が甘く震える。促されるままに口を開くと性急に柔らかいものが割り込んできて、口内を啜る。溢れた水が口の端から流れ出て背筋を撫でたような性感を掻き立てて、服を濡らした水分が体の熱さを際立たせた。節くれだった指が耳と頬の境をゆっくりと往復して、時折柔く爪を立てる。皮の厚い男の手が、愛しいと告げるように肌を愛撫するのは思考を溶かすような色気がある。
「ぁあっあっ、んっ、はぁ、」
「…ーーーん、っは、はは、…っふぅっ」
水が無くなってもどろどろと溶け合うようなキスは終わらない。零さんはとても器用だけど、これだけの怪我を負っているせいかどこか動きがぎこちない。もどかしそうに左手が私の背を撫で、首筋をくすぐり、手を握る。それが逆に官能を煽ると言ったら不謹慎だろうか。
「ぁ…あう、んくぅ……」
「あーーーーー…早く治したい」
ぐりぐりと肩のつけねに彼の頭が押しつけられる。背中を支えていた彼の指先がはっきりと意思を持ってブラジャーのラインをなぞった。ぺしんと彼の頭を柔らかくはたく。仕返しのように彼が私の肩に顔を埋めたままこれでもかと深呼吸した。なるほど、安室透ともBarの彼とも違うわけである。どちらからともなく笑い始めた。
「なあ、腹減った」
「……はあ、そうですか。目の前のご飯食べていいんですよ。…左手使えるなら、昨日の時点で言ってください」
昨日は利き手が塞がっているのを理由に非常に照れながらの「あ~ん♡」イベントが発生したが今日はそうはいかない。帰り際に彼の部下だという男性から「降谷さんは両利きですよ」と聞き、愕然としたのは記憶に新しい。
「いいだろ、このくらい労ってくれても」
「ぅう~~~~~…零さんずるい…。それ言ったら私が何にも言えなくなるのわかってるでしょう…」
カラカラと笑う。くそう、直視できないくらいかっこいいぞ。どうやら私は、安室透やあのBarでの彼よりさっぱりとしていて男らしい降谷零が好みらしい。
「飲み物は口移しがいい」
「……人が来ますから」
「午後の検温は少し先、今日は来客の予定はない、急用なら俺の立場上事前に連絡がある、そもそも今の俺は基本的に面会謝絶。まだ理由が必要か?」
声にならない呻きを上げて彼のベッドの端に伏せる。大きな手が髪を乱す。顔は隠せるけれど耳が赤いのはばれてるだろうな。とてもとても恥ずかしい。そろそろと顔を上げると彼は満足げというか楽しげと言うか、微笑ましいような勝ち誇ったような顔でこちらを見ていた。彼の幼いころを知らない私だが、きっとこの顔は小さいころから変わってないんだろうな、と、そんなことを思った。かっこよすぎて自分のおかれた立場も忘れて許しそうになる。ああもう、どうするのが正解なんだ。
「んっ、意外と、少女漫画的ですね」
「よし、分かった。退院したら覚悟しとけよ」
悪い顔で笑う男。近すぎて顔がぼやける。思わず目を閉じた。
「つ、んん、っふぅっ・・・!」
「っふ、飲めないって…」
楽しくてたまらないといいそうな声だ。厚みのある舌が器用に唇をなめた。体が甘く震える。促されるままに口を開くと性急に柔らかいものが割り込んできて、口内を啜る。溢れた水が口の端から流れ出て背筋を撫でたような性感を掻き立てて、服を濡らした水分が体の熱さを際立たせた。節くれだった指が耳と頬の境をゆっくりと往復して、時折柔く爪を立てる。皮の厚い男の手が、愛しいと告げるように肌を愛撫するのは思考を溶かすような色気がある。
「ぁあっあっ、んっ、はぁ、」
「…ーーーん、っは、はは、…っふぅっ」
水が無くなってもどろどろと溶け合うようなキスは終わらない。零さんはとても器用だけど、これだけの怪我を負っているせいかどこか動きがぎこちない。もどかしそうに左手が私の背を撫で、首筋をくすぐり、手を握る。それが逆に官能を煽ると言ったら不謹慎だろうか。
「ぁ…あう、んくぅ……」
「あーーーーー…早く治したい」
ぐりぐりと肩のつけねに彼の頭が押しつけられる。背中を支えていた彼の指先がはっきりと意思を持ってブラジャーのラインをなぞった。ぺしんと彼の頭を柔らかくはたく。仕返しのように彼が私の肩に顔を埋めたままこれでもかと深呼吸した。なるほど、安室透ともBarの彼とも違うわけである。どちらからともなく笑い始めた。