夏の笑顔、歩む人
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太陽のように笑う人だ。青々と澄んだ夏の真昼の空を思い出したのも1度や2度ではない。警察官になるのだと笑った彼は此方が苦しくなるほどまっすぐで、いつも足踏みばかりの私は敬意と共にほんの少しの羨ましさも感じていた。
彼が警察学校に進んでからは、めっきり連絡が減った。仕方のないことだ。それでも、あの真夏の面差しを忘れることは片時もなかった。
「……俺は、お前が眩しかったよ」
起き抜けの気だるげな様子で彼は口を開く。
「俺はさ、……いつも本当に大事なことは何も言えないんだ。どうすればいいのか分からなくなる。で、さ。動かなきゃいけないって焦って、取り返しがつかなくなるんだ。」
真逆だと呟く。僅かに翳った瞳の奥、燻った何かが爆ぜているように見えた。後悔にも似ていた。
「そうやって。……そうやっていつも、大事にしたいものを傷つける。」
目を見張る私の顔に手が添えられた。大きくて温かくて硬くて、ああ、いつの間にあなたはこんなにも深い色をたたえるようになったのか。
「待たせてごめん」
堪えられなかった涙が幾筋も頬を伝う。あなたをずっと待っていたのだと伝えたかったのに、言葉にならない。どんなに引き止めてもあなたはまた行ってしまうのだろう。分かっている。ずるい人。それでも私はこの愛ゆえにあなたを待ち続けるのだろう。報われない。分かりきっているのに。
「一生に一度のお願いなんだ。……聞いてくれるか。」
とんでもない約束をしてしまったと思う。それでも、あなたが私を必要とするのと同じくらい、私にもあなたが必要だから。ああ、私の愛しい人。どうかどうか、あなたの美しい眼差しが曇りませんように。あなたの正義がけがれませんように。
彼が警察学校に進んでからは、めっきり連絡が減った。仕方のないことだ。それでも、あの真夏の面差しを忘れることは片時もなかった。
「……俺は、お前が眩しかったよ」
起き抜けの気だるげな様子で彼は口を開く。
「俺はさ、……いつも本当に大事なことは何も言えないんだ。どうすればいいのか分からなくなる。で、さ。動かなきゃいけないって焦って、取り返しがつかなくなるんだ。」
真逆だと呟く。僅かに翳った瞳の奥、燻った何かが爆ぜているように見えた。後悔にも似ていた。
「そうやって。……そうやっていつも、大事にしたいものを傷つける。」
目を見張る私の顔に手が添えられた。大きくて温かくて硬くて、ああ、いつの間にあなたはこんなにも深い色をたたえるようになったのか。
「待たせてごめん」
堪えられなかった涙が幾筋も頬を伝う。あなたをずっと待っていたのだと伝えたかったのに、言葉にならない。どんなに引き止めてもあなたはまた行ってしまうのだろう。分かっている。ずるい人。それでも私はこの愛ゆえにあなたを待ち続けるのだろう。報われない。分かりきっているのに。
「一生に一度のお願いなんだ。……聞いてくれるか。」
とんでもない約束をしてしまったと思う。それでも、あなたが私を必要とするのと同じくらい、私にもあなたが必要だから。ああ、私の愛しい人。どうかどうか、あなたの美しい眼差しが曇りませんように。あなたの正義がけがれませんように。
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