安室透と契約結婚
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「…というわけで、無事にあのクソ野郎を追い払えたんだ。コナン君からの情報提供に感謝するよ」
「クソ野郎って。安室さん"安室透"になりきれてないよ」
自分の目の前でニッコリ笑いながら、名前さんの元婚約者とのやり取りを話終えた安室さんの言葉に、俺は乾いた笑みを浮かべる。
「だいたい情報提供って言うけど、この間のあれは尋問だよ」
「おや、そうだったかい?」
俺の言葉にわざとらしく首を傾げる安室さん。あの日名前さんが帰った途端、安室さんは目が笑っていない不気味な笑顔で俺に詰め寄ってきた。
◇◇◇◇◇◇◇
「僕には内緒って何の話ですか?」
「え、安室さんどこから聞いてたの?」
「肝心なところが聞こえなかったから、コナン君に聞いてるんですよ」
「大した事じゃないけど…」
「ほおー、では名前が大きなため息をついて思い悩んでいた原因は、もしかして君にあるのかな?わざわざ僕がいない時間に名前を呼び出したのは君だろう?そうだと言うなら、僕にも考えがあるけど」
「ええっ!?ち、違うよ。僕は何もしてないよ」
「そうかい、なら話してくれるよね?」
「帰ってから名前お姉さんに直接聞いてみたらいいんじゃない?」
「はは、僕は名前を怖がらせたり、無理に詰め寄ったりしたくないんだよ」
「それって僕ならいいの?」
「……俺は君にこれまでいろいろ協力してきたつもりだったが、今後は敵にまわるということか?」
「ちょっと、こんな事で"降谷さん"出すのやめてよ」
◇◇◇◇◇◇◇
結果的に降谷零の圧力に負けて、名前さんと元婚約者との約束を喋ってしまったわけである。公安警察の迫力は半端なかった。2度と敵にまわしたくない。
「それにしても、よく2日間でその人の家庭状況とか経営状況や不正の証拠まで調べられたね」
「ん?あいつの件は、この2日で調べたわけじゃないよ」
「え?」
「腐っても名前の元婚約者だし、彼女を苦しめた人間だからね。何かあった時のために以前から調べはつけておいたんだ」
「そ、そうなんだ…でも、結局その元婚約者も下心があって名前お姉さんを呼び出したみたいだし、安室さんに話して良かったよ」
降谷さんの名前さんへの執着というか、完璧に外堀を埋めにかかっている状況に内心少し引きながらも、また名前さんが辛い思いをする事なくすんだ事に小さく息をつく。
「君と名前は本当に仲がいいようだね」
「ちょっと、安室さん睨まないで!僕、小学生だよ?」
「こんにちはー」
「あ、名前さんいらっしゃい。待ってましたよ」
名前さんとの仲を疑うような険しい視線に俺が慌てていると、ポアロの入り口からのんびりした挨拶が聞こえてきて名前さんが入ってくる。安室さんは名前さんが来た途端に、相変わらず嘘みたいな切り替えの早さで爽やかな笑みを浮かべて声をかけている。
「あれ、名前お姉さんがポアロに来るの珍しいね」
「こんにちは、コナン君。安室さんと約束してるの」
「ああ。僕はもう上がりだからね、このまま食事にでも行こうかと思って。名前さん、着替えてくるからコナン君と少し待っていてください」
「はい、わかりました」と、言いながら名前さんは俺の隣に腰をおろす。そして安室さんがバックヤードに消えたのを確認して、俺に小声で話しかけてくる。
「コナン君、内緒って言ったのに喋ったでしょ?」
「ごめん…安室さんの圧が凄くて」
「もう、しょうがないなあ。安室さんったら、元彼にわざわざ荷物を持ってきてくれたお礼にってスコーンまで持って様子を見に来てくれたんだよ」
「あ、そうなんだ~」
「忙しいのに本当に優しいよね」
「…へ?」
「ただ荷物受けとるだけなのに付き合わせちゃって、悪いことしちゃった」
のんびりとココアを飲みながらそう話す名前さんに脱力してしまう。今回の一件の安室さんの思惑や下準備に何も気付かずに、心底嬉しそうに"優しい人だ"と感謝しているようだ。
結局名前さんは、あっという間に着替えをすませて戻ってきた安室さんと、肩を並べてポアロを後にする。あんな風に名前さんは、公安の優秀な捜査員である降谷零の手腕によって、彼の思惑通りに事がすすんでいることに気付かないのかもしれない。それでも、嬉しそうに安室さんの隣を歩く名前さんを見ると、あの2人はこれで良いんだろうなと思ってしまうのだった。
fin.
「…というわけで、無事にあのクソ野郎を追い払えたんだ。コナン君からの情報提供に感謝するよ」
「クソ野郎って。安室さん"安室透"になりきれてないよ」
自分の目の前でニッコリ笑いながら、名前さんの元婚約者とのやり取りを話終えた安室さんの言葉に、俺は乾いた笑みを浮かべる。
「だいたい情報提供って言うけど、この間のあれは尋問だよ」
「おや、そうだったかい?」
俺の言葉にわざとらしく首を傾げる安室さん。あの日名前さんが帰った途端、安室さんは目が笑っていない不気味な笑顔で俺に詰め寄ってきた。
◇◇◇◇◇◇◇
「僕には内緒って何の話ですか?」
「え、安室さんどこから聞いてたの?」
「肝心なところが聞こえなかったから、コナン君に聞いてるんですよ」
「大した事じゃないけど…」
「ほおー、では名前が大きなため息をついて思い悩んでいた原因は、もしかして君にあるのかな?わざわざ僕がいない時間に名前を呼び出したのは君だろう?そうだと言うなら、僕にも考えがあるけど」
「ええっ!?ち、違うよ。僕は何もしてないよ」
「そうかい、なら話してくれるよね?」
「帰ってから名前お姉さんに直接聞いてみたらいいんじゃない?」
「はは、僕は名前を怖がらせたり、無理に詰め寄ったりしたくないんだよ」
「それって僕ならいいの?」
「……俺は君にこれまでいろいろ協力してきたつもりだったが、今後は敵にまわるということか?」
「ちょっと、こんな事で"降谷さん"出すのやめてよ」
◇◇◇◇◇◇◇
結果的に降谷零の圧力に負けて、名前さんと元婚約者との約束を喋ってしまったわけである。公安警察の迫力は半端なかった。2度と敵にまわしたくない。
「それにしても、よく2日間でその人の家庭状況とか経営状況や不正の証拠まで調べられたね」
「ん?あいつの件は、この2日で調べたわけじゃないよ」
「え?」
「腐っても名前の元婚約者だし、彼女を苦しめた人間だからね。何かあった時のために以前から調べはつけておいたんだ」
「そ、そうなんだ…でも、結局その元婚約者も下心があって名前お姉さんを呼び出したみたいだし、安室さんに話して良かったよ」
降谷さんの名前さんへの執着というか、完璧に外堀を埋めにかかっている状況に内心少し引きながらも、また名前さんが辛い思いをする事なくすんだ事に小さく息をつく。
「君と名前は本当に仲がいいようだね」
「ちょっと、安室さん睨まないで!僕、小学生だよ?」
「こんにちはー」
「あ、名前さんいらっしゃい。待ってましたよ」
名前さんとの仲を疑うような険しい視線に俺が慌てていると、ポアロの入り口からのんびりした挨拶が聞こえてきて名前さんが入ってくる。安室さんは名前さんが来た途端に、相変わらず嘘みたいな切り替えの早さで爽やかな笑みを浮かべて声をかけている。
「あれ、名前お姉さんがポアロに来るの珍しいね」
「こんにちは、コナン君。安室さんと約束してるの」
「ああ。僕はもう上がりだからね、このまま食事にでも行こうかと思って。名前さん、着替えてくるからコナン君と少し待っていてください」
「はい、わかりました」と、言いながら名前さんは俺の隣に腰をおろす。そして安室さんがバックヤードに消えたのを確認して、俺に小声で話しかけてくる。
「コナン君、内緒って言ったのに喋ったでしょ?」
「ごめん…安室さんの圧が凄くて」
「もう、しょうがないなあ。安室さんったら、元彼にわざわざ荷物を持ってきてくれたお礼にってスコーンまで持って様子を見に来てくれたんだよ」
「あ、そうなんだ~」
「忙しいのに本当に優しいよね」
「…へ?」
「ただ荷物受けとるだけなのに付き合わせちゃって、悪いことしちゃった」
のんびりとココアを飲みながらそう話す名前さんに脱力してしまう。今回の一件の安室さんの思惑や下準備に何も気付かずに、心底嬉しそうに"優しい人だ"と感謝しているようだ。
結局名前さんは、あっという間に着替えをすませて戻ってきた安室さんと、肩を並べてポアロを後にする。あんな風に名前さんは、公安の優秀な捜査員である降谷零の手腕によって、彼の思惑通りに事がすすんでいることに気付かないのかもしれない。それでも、嬉しそうに安室さんの隣を歩く名前さんを見ると、あの2人はこれで良いんだろうなと思ってしまうのだった。
fin.