高揚編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
名前は試しにコンビニ内をゆっくりぐるっと回ってみて、もう1度雑誌を見るふりをしながら外を見てみる。
しかし先ほどの位置に人影はまだ立っていて、相変わらずコンビニ内に視線を向けているように見えた。
card.99
(…こんな時間に蘭や青子に来てもらったりしたら、逆に蘭達が危ないし)
名前は雑誌をパラパラとめくり雑誌を見ているふりをしながら暗くなった外に視線を向ける。
(……新一はこの時間だと探偵事務所で夕飯時だもんね。連絡したら来てくれそうだけど、蘭達に言い訳して事務所を抜け出すの大変そうだし)
名前はいろいろ考えた後に1つため息をつく。
(私の勘違いかもしれないし…諦めて帰ろうかな?最悪…蘭から教わった空手で何とかなるかな…)
名前は蘭から護身用にと何度か空手を教わっているが、蘭ほど腕がたつわけじゃないためそこまで自信はないのだ。先日怪盗キッドが撃たれてしまうという焦りから、なりふり構わず飛び蹴りを繰り出し成功したものの、実際対人に攻撃したのはあれが初めてだった。
しかし、後をつけられているという明確な証拠もないため、コンビニの店員などに声をかけるのも憚られる。
結局名前は諦めてこのまま帰ってしまおうか…と雑誌を置く。
----ピリピリ
その時ふいに着信音がポケットから響く。着信相手を確認すると名前は僅かに目を見開く。
(何かしら?)
「…もしもし」
『おっ、名前今大丈夫か?』
「ええ、快斗どうしたの?ちゃんと課題は終わった?」
『課題を中村ちゃんに出して今帰ってる途中なんだけどさ。何となく先に帰しちまったから名前の事が気になってたんだよ。もう家についてるよな?』
「……。」
『…名前?』
「実はまだなの…」
『はあ?お前学校出てから、もう1時間以上だろ?どーしたんだよ』
「実は…………」
名前は少し戸惑いながらも今の状況を説明する。
『お…お前なぁ!何で早く言わねェんだよっ?』
事情を説明している途中から不機嫌そうに相槌を打ちはじめた快斗の様子に、何となく嫌な予感はしていたが事情を説明し終えると耳元で快斗の大声が響く。
「そこ…あの信号のとこのコンビニだろ?今から行ってやっからちょっと待ってろ!絶対に店から出るなよ!」
それだけ言うと、一方的に切られてしまったため、名前は一先ず携帯をポケットにしまう。
(何だか大事になっちゃったかな…)
しかし強がってはいてもやはり不安だった名前は、快斗が来てくれると分かり小さく安堵の息をついた。