高揚編
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(まだ時間も早いから本屋にでも寄ろうかしら)
学校から出た名前は、チラリと腕時計を確認してそんな事を考えながら歩きはじめた。
card.98
帰り道にある書店に立ち寄った名前は、新刊コーナーに足を向ける。
(あっ…これ確か前に新一が面白いって言ってた作者の新作だ)
名前はふと1つの小説に目が止まり、表紙を見た後にパラパラと開いて軽く目を通しはじめた。
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「…すみません、」
横から声をかけられて名前はハッと小説から顔を上げる。
どうやら自分の前にある本が取りたいらしく、少し申し訳なさそうに手をのばしている女性がいる。
「あっ、こちらこそすみません」
名前は謝りながら横にズレた後に、時計を確認すると書店に入ってから1時間近くたっている。
(やだ…1時間もたってる。つい読みこんじゃったわ)
名前は少し迷ってから手に持っていた本を棚に戻す。
(半分近く読んじゃったのに買わないなんて何だか申し訳ないかな…でもこの作者のシリーズなら新一が持ってるみたいだし、新一に借りようかな)
名前はそんな事を考えながら書店から出ると、外はだいぶ薄暗くなっていた。
名前は小さくため息をついた後に、マンションに向かい歩きはじめた。
「………うーん」
(…勘違いかと思ったんだけど、違うみたいね)
名前は自宅に向かって歩きながら考え込むように眉を寄せる。
書店から出て10分ほど歩いた辺りから、名前は何となく自分をつけているような足音に気付いていた。
しかし人通りも多い街中だったためあまり気にしなかったが、住宅街に入りあまり人の通りがなくなってくると、後ろから響く足音が自分と同じペースで響き続けているために、やはり自分をつけているのだと確信する。
「……はあ」
名前はため息をついた後に目に入ったコンビニに一旦入ってみる。
後に続いて入ってくる人はいなかったが、商品を見るふりをして外を確認してみると、喫煙スペースでチラチラとこちらを窺っている人影が目に入る。
(変質者?…下手な尾行だから、素人だと思うけど。どうしようかしら)
名前は相変わらず立ち去る気配のない人影を見ながら、どうしたものかと考えを巡らせた。