高揚編
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「…ちょっと遅くなったから、お前ら気をつけて帰れよ!」
ホームルームが終わり、担任である中村がガタガタとと立ち上がって帰り支度を始める生徒に声をかけた。
card.97
「長かったな…今日のホームルーム」
林がグッと伸びをしながら呟く。
「…そうだね。青子この後、部活に顔出さなきゃだから今日は帰るのが遅くなりそう」
青子は小さくため息をつく。
「青子、今日は部活なの?」
「そうなの。名前ちゃんと一緒に帰れなくて残念だなぁ…」
「私もよ…帰り遅いなら青子気をつけてね?」
名前はそう言いながら帰り支度をすませて鞄を手に取る。
「名前ちゃんも気をつけて帰ってね」
青子に返事を返そうとすると、快斗が大丈夫だよ!と、名前の横に並ぶ。
「名前の事は、俺が責任持って送るからよ!」
「「……。」」
そんな快斗を周りの青子や林達は呆れたように見つめるが、名前は嫌がる素振りも見せずにどこか嬉しそうに小さく苦笑する。
「おーい、黒羽!お前はまだ帰れないぞ?」
しかし教室を出ようとしたところで、快斗に向かって教卓から中村が声をかける。
「えーっ!?何でだよ!」
「お前は一昨日までに提出の課題まだ提出してないだろー?ちゃんと今日中にやってから帰れよ」
その言葉に名前は呆れたように隣の快斗を見つめる。
「なっ…なんで今から帰るって時に言うんだよ!?」
「先に言っておいたらお前は授業中にやるだろ」
「うっ…」
中村に図星を突かれた快斗は、反論出来ずに口ごもる。
「名前はどうするんだよ!1人で帰すのかよっ!せっかく一緒に帰ろうと思ったのに!」
「「……。」」
「快斗。それを中村先生に言っても仕方ないと思うわよ、それに課題はちゃんとやらなくちゃ」
「…名字の言う通りだ。グタグダ言ってると、いつまでも帰れなくなるぞ。俺は職員室にいるから、早く持ってこいよー」
それだけ告げると中村は教室から出ていく。そんな中村を呆然と見送る快斗に名前は声をかける。
「ほら、快斗。今日は私は1人で帰れるから。課題頑張って」
「あーっ!くそー、名前悪ぃな」
快斗はガックリと肩を落として席に戻る。名前はそんな姿に苦笑しながら、快斗や青子達に別れを告げると教室から出て行った。