高揚編
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(いつもなら授業を受けてる時間にこんな所にいるなんて、何だか変な気分だな)
名前は、青空を見上げながらぼんやりとそんな事を思う。
穏やかな風が名前の髪をサラリと揺らした。
card.94
「ごめんな、急に呼び出したりして」
「ううん、大丈夫だよ」
川崎に呼び出された名前は、暖かい陽射しに照らされた屋上に来ていた。二人は、屋上の胸下ぐらいの高さのフェンスに並んで寄り掛かっている。
「えーと、何かいろいろ前後しちゃって悪いけど…俺、川崎隆哉。よろしくね」
「…名字名前です。こちらこそよろしくね。川崎君野球部なんだって?」
「"隆哉″で良いよ、名前さん野球好きなの?」
「うん。友達の影響で、スポーツの中じゃ一番好きなの。…隆哉君、うちの野球部だって聞いたから」
「そうなんだ、嬉しいな!今度良かったら見に来てよ!」
「うん、ありがとう。前に、甲子園まで行ったことがあるから試合を見るのも好きなんだ!」
「甲子園まで?本格的だねー」
二人は初対面ならではの当たり障りのない会話を何となく続けていたが、ふと会話が一区切りついた所で何となくお互い口をつぐむ。
--サアァ…
穏やかな風が吹き、名前はサラリと揺れる髪を耳にかける。川崎は、小さく息をついた後に改めて口を開く。
「俺さ…名前さんと仲良くなりたいなって思って、今日声かけたんだけど…」
ふいに呟かれた言葉に、名前は川崎の方をジッと見る。
「意味わかる…?」
「……意味、」
「あー……俺さ、名前さんの事」
「…名前っ!」
川崎の言葉の途中で突然誰かに名前を呼ばれて、川崎と名前が声のした方に振り返る。
名前は屋上の入り口で、眉を寄せてこちらを見ている人物の姿に目を瞬かせる。
「…快斗?どうしたの?」