高揚編
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「蘭姉ちゃん、名前姉ちゃんどうかしたの?」
「あ、コナン君」
ピッと電話を切った蘭の足元には、いつの間にかコナンが立っていて心配そうに首を傾げている。
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「うーん?何か悩んでるみたいで。話を聞いてほしいって言うから、今から少し出かけて来るわ」
「え?名前姉ちゃんが?」
「そうなのよ。名前が相談事なんて…珍しいわよね」
蘭は出かけるために軽く身支度しながら蘭も不思議そうに首を傾げる。
名前が、自分の悩みや心配事を積極的に自分から発信するタイプではないということは、幼い頃からの付き合いである蘭も分かっている。
「…そうだよね、行ってらっしゃい」
「うん。夕飯までには事務所に戻るから、コナン君は気をつけて帰るのよ!…それじゃ、みんなまた今度ね!」
蘭は"蘭お姉さんまたねーっ″と、手を振る歩美達に笑って手を振りながら阿笠邸を出ていく。
そんな姿をコナンはジッと見送った。
「もしかして…恋の相談かしらね?」
顎に手を当てて何かを考えているコナンの横に、ニヤリと小学生らしからぬ微笑みを浮かべた灰原が並ぶ。
「…あの名前が、かあ?まぁ、それならそれでも良いんだが」
「あら、どうして?」
「最近名前の奴…あの怪盗に興味持ったりしてたからな。あんな怪盗に比べたら、普通の男の方が良いだろ?」
"まァ、変な野郎だったら認めないけどな…″と、呟くコナンを灰原は呆れたように見つめる。
(全くどの立場で言ってるのか知らないけど。相変わらず…幼なじみの2人には過保護ね)
--今回はどっちが勝つかしらね--
灰原は、以前怪盗キッドと遭遇した美術館で、そう呟いた名前の横顔を思い出す。
(さすがの平成のホームズさんも……恋の相手があの白い怪盗の彼かもしれない可能性は考えないようね)
灰原は横にいるコナンの顔を見つめる。
(ま…私の考えも単なる想像だし。工藤君にそんなこと言ったら、それこそただ事じゃすまなそうだから今は黙っていようかしら…)
灰原は小さく微笑みながらソファに腰をおろして珈琲に口をつけた。