「クリスタル・マザー」編
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「本当に本物の女王陛下に会えるなんて…なんだか緊張するわね」
「ああ、滅多に会えるもんじゃねェ相手だからな」
名前と快斗はスタスタと前を歩く青子の後ろで小声で喋りながら後を追う。3人は女王陛下が乗る車両に向かっていた。
card.78
「陛下、もうそろそろ宝石のありかを教えていただけませんか?所在が分からない事には警備のしようが……」
「ウフフ…そんなに心配ならずっと私のそばで守っていてくださいな。さ、お酒でもお作りしますわ」
陛下の横に座る中森は困ったように陛下に尋ねるが、陛下は相変わらず笑みを浮かべたまま宝石のありかを教えようとはしない。
「い、いや…勤務中ですので酒は……」
「あら…私の酌を断られたのは初めてですわ」
その言葉に陛下の側近がギロリと中森を睨む。その視線に負けた中森は、困ったようにグラスを手に取る。
「……じゃ、じゃあお言葉に甘えて一杯だけ…」
中森はおずおずと陛下に進められたお酒に口をつける。陛下はその様子を笑顔で見つめていた。
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「ワッハハ!ヨーロッパの酒は最高ですな!陛下!!」
名前達が青子に連れられて陛下にいる車両に入ると、聞き覚えのある陽気な笑い声が聞こえる。
(この声って…)
名前はその声に首を傾げながら足を進めていると、前を歩く青子が声をあげる。
「お…お父さん!?」
名前が快斗の後ろから前を覗きこむと、そこには頬を赤く染めて陽気に笑う中森の姿があった。
(…お酒飲んでるのね)
「おーっ!青子と快斗君かっ!おや?そちらのお嬢さんは…」
「…中森警部お久しぶりです、以前現場でお会いした名字名前です。覚えていますか?」
「お!毛利探偵の所の名前ちゃんか!!どうしたんだ?3人そろって…」
「か、快斗がどうしても陛下に会いたいって…」
しどろもどろ話す青子の言葉に快斗はジト目を向ける。陛下に一番会いたがっていたはずの青子は、快斗を言い訳に使いながらも、そんな快斗の視線に構わず陛下に挨拶している。
結局3人はそのまま陛下のいるサロン車にいても良い事になり、近くの席に腰を降ろした。
(…よし!無事に陛下のいるサロン車に潜入出来たし…宝石のありかを見つけねーとな)
通路側に座った快斗はチラチラと,陛下の方を覗いて宝石を隠している場所を探そうとする。
青子はそんな快斗に気がつかず、料理のメニューを眺めているが、快斗の前の席に座る名前は、何度もチラチラと陛下を盗み見ている快斗の姿を見て小さく苦笑していた。