「クリスタル・マザー」編
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怪盗キッドが陛下のクリスタル・マザーを狙っているために、打倒キッドと気合いの入った中森とは違い陛下はどこか余裕のある優雅な笑みを浮かべる。
card.77
「これは彼と私の勝負…この列車が大阪に着くまで残り2時間半……それまでに彼が予告通り宝石を盗み出すか、私が守り切れるのか…国の名誉を賭けた一騎打ちですわ!!」
「へ…陛下…」
中森が困ったような表情を浮かべていると、足元でふいに幼い声がする。
「ねぇ、お母様…その首飾りちょっと変じゃない?」
「フィリップ!?なんて子なの…あれほど部屋からは出てはならぬと言ったのに…それに、何度も教えたでしょう?人前では"女王陛下″と呼びなさいと…」
陛下に声をかけた途端に、厳しく叱られている子供を見た中森は、近くにいる陛下のおもてなしのために同行していた日本の関係者に尋ねる。
「この子は?」
「フィリップ王子だよ…2年前に病死されたヘンリー殿下と、セリザベス女王の間に出来たご子息。イングラム広国の次期国王だよ」
「ほぉ、この子が…」
中森が納得してフィリップに視線を向けると、フィリップは陛下の首元の宝石の形がいつもと違うと訴えている。
「…!ちょっと失礼!」
それを聞いた中森が、慌てて宝石を確認すると、宝石につけられている盗聴機を発見する。
(これはっ!キッドめ…陛下に会った時に仕掛けたんだな!)
「聞いてるか!怪盗キッド!このワシがいる限り、宝石には指一本触れさせないからなっ!!」
中森は盗聴機に向かって大声で叫ぶと、バチンッと盗聴機を叩きつけて壊した。
「ーっ!!」
その頃、イヤホンで陛下達の会話を盗み聞きしていた快斗は、突然の大声と聞こえてきた破壊音に目を見開く。
「どうしたの快斗…?」
「急に変な顔して」
隣と前にいる青子と名前から、不審そうに尋ねられて快斗は何とかごまかす。
「もうっ!しっかりしてよね、今から女王陛下に会いに行くんだからね」
そんな中告げられた青子の言葉に、快斗と名前は目を丸くする。
「青子…私達も陛下に会っても大丈夫なの?」
「うん!せっかく女王陛下がいるんだもの、会って挨拶したいじゃない!」
「……まじ?」
青子の提案に、まさか宝石の持ち主である女王陛下に、黒羽快斗として会う事になるとは…と、快斗は目を見開いた。
--列車内のトイレ
『なに…?またしても怪盗キッドは我々の忠告を無視して巨大宝石を狙っていると言うのか?』
「はい、ボス…奴が予告したせいで列車の警備はかなり強化されています…これでは、奴より先に宝石を入手するのは困難かと…」
『ふんっ……ならば奴から奪えば良かろう。もし必要ならば殺してもかまわん!』
「ハッ!!」
快斗達の知らない所で、怪しい人物が動きはじめていた。