「クリスタル・マザー」編
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名前はチラリと腕時計を見たあと、少し早足に駅へ向かう。
(…まずい、思ったより遅くなっちゃった)
急いで駅に向かうと待ち合わせ場所である改札口が目に入って来る。少し辺りを見回した名前は、改札口の伝言板の壁に寄り掛かっている快斗の姿を見つけた。
card.74
*クリスタル・マザー編
(まじっく快斗)
「…快斗、ごめんね!待たせちゃった?」
名前は快斗の傍まで駆け寄ると、謝りながら声をかける。
「…いや、待ってねーよ。だいたいまだ5分前だせ?そんなに焦って来なくても良かったのに」
快斗は苦笑しながら、走って来たために乱れた名前の前髪にサラリと触れる。
「………。」
名前は快斗の行動に頬を赤く染めるが、快斗はというと特に意識せずした行動のようで涼しい顔をして名前を見ている。
「休みの日に会うの初めてだな」
(名前可愛いなぁ…これが普通のデートなら良かったのに)
「まだ少し時間あるけど、もうホームに行くか?」
「そうだね。乗り遅れたら大変だもんね」
2人は目的地までの切符を購入して、ホームへの階段を降りる。
「…青子はもう向こうの駅に着いたのかしら?」
「……さぁ、どうかな」
今日は青子に誘われたロイヤル・エクスプレスに乗車する日だ。
搭乗する駅まで快斗と名前は地元の電車で向かうのだが、青子は怪盗キッド逮捕のために燃える中森警部と先に車で駅に向かっている。
快斗は隣で「一応、青子にメールしておこうかしら」と、呟いて携帯を操作している名前の横顔をチラリと見る。
--快斗!私はお父さんと車で駅に行くからね。それまでは名前ちゃんと2人きりだから、頑張って!--
昨日の夜、青子がはしゃいだ声でかけてきた電話を思い出す。てっきり三人で一緒に行くのかと思っていたのに、青子が余計な気をまわしたらしい。
(ったく…余計な事しやがって。だいたい今日はキッドの仕事があるから、それどころじゃねーよ)
快斗は名前に気付かれない程度に小さくため息をつく。こうやって、名前と一緒にいられる事は嬉しいものの、怪盗キッドの仕事当日となると、さすがの快斗も気が張りつめていて、名前との時間を楽しむ余裕はなかった。