接近編
夢小説設定
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「先生、私の分は終わりました」
「俺が作ったのはこっちにあるぜ」
「よし…ありがとう。これで50部出来たな」
中村は、トントンと三人でまとめたプリントを揃えながら頷く。
「お前ら今日はありがとな、気をつけて帰れよ」
そして椅子に座る名前と快斗に、そう声をかけた。
card.69
「…名字!」
教室の扉から出たところで呼び止められて、名前と快斗は立ち止まりくるりと振り返る。
中村は、名前の顔を見た後チラリと快斗にも目を向ける。
「……何か困った事があったら、遠慮なく言うんだぞ」
「なっ…!何だよ、何でわざわざ俺を見ながら言うんだよ!」
中村の態度にムキになった快斗をチラリと見て、名前は可笑しそうに苦笑する。
「困った時はお願いします…先生」
「なっ!名前まで…もう帰るぞっ!」
快斗は名前の腕をひいてスタスタ歩き始める。そんな快斗の背中を見ながら、名前はクスクス笑って後を追う。
遠ざかっていく2人の背中を、中村はフッと微笑ましそうな笑みを浮かべながら見つめる。
「…意外とお似合いな2人かもな。頑張れよ、黒羽」
そしてポツリとそう呟くと、中村は2人と反対方向…職員室に向かって足を進めて行った。