接近編
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「…おはよう」
名前は堪えきれずに小さく欠伸をしながら教室に入る。昨日はただでさえ事件に巻き込まれて疲れていたというのに、話が終わった後もなかなか新一が帰らず結局普段の就寝時間よりも何時間も寝るのが遅くなってしまったのだ。
card.65
「あっ!名前ちゃん、おはよーう!」
「おはよう、青子」
「おぅ、名前。お前何だか眠そうだな?」
青子の隣にいた快斗も、いつもの笑顔で名前に声をかける。
「……おはよう」
いつも通りの快斗の態度に名前は軽く拍子抜けする。
しかし教室で昨日の話題を出すわけにもいかず、名前もいつも通り小さく微笑んで挨拶しながら、続けてポツリと呟く。
「…どこかの嘘つきな泥棒と、どこかのしつこい探偵さんのお陰で寝不足なのよ」
「…名前ちゃん?それどういう意味ー?」
青子は意味が分からないといった様子で首を傾げる。
「……う、嘘つき?」
快斗がポカンとした顔で呟くが、それには答えずに青子に笑顔を向ける。
「ふふ…何でもないわ」
一言嫌みを言って、ひとまず満足した名前は、自分の席に座ると眠気を誤魔化すように軽く伸びをする。
「ねぇ…名前ちゃん、今週末は空いてる?」
青子は名前の机に両手をついて、名前の顔を覗き込みながら見ながらニッコリ笑う。
「特に予定はないけど…どこかに買い物?」
「ううん、そうじゃなくてねー」
青子は小さく首を横に振って、自分の鞄の中をガサガサと漁る。
そして、ピラッと名前の机にカラーのパンフレットを置く。
「…ロイヤル・エクスプレス?」
名前は、そのパンフレットをパラパラと開いて首を傾げる。
「そう!あの泥棒が、この列車に乗るセリザベス女王が日本に持ち込む宝石を狙ってるんだって!それで、お父さんが女王の護衛に着くんだけどね、青子達の分も切符取ってくれたの。珍しい列車だから一緒に行かない?」
「セリザベス女王…ってイングラム公国の?怪盗キッドから予告状が来たの?」
「そうそう!あんな大きな国の宝石にまで手を出すなんてねー!」
「そうなんだ…楽しそうね。だけど無関係の私も一緒に行って良いの?」
「うん!もらった切符が3枚あるから一緒に行こう!」
「え…3枚?」
「うん!快斗が行きたいっていうから、お父さんに切符をもらえないか頼んだの」
「…!」
名前は今まで隣で黙って聞いていた快斗に目を向ける。
「そう…快斗、私も一緒に行っても良いの?」
「ああ!何、遠慮してるんだよ!一緒に行こうぜ」
名前は突然自分まで参加して大丈夫なのかと不安気に快斗を見るが、快斗はアッサリと笑顔で了承した。