「天国へのカウントダウン」編
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『仕事だ、バーボン』
「それは構いませんが…あなたが、僕にわざわざ仕事を持ちかけるなんて珍しいですね。…ジン」
『ハッ、探り屋のお前にちょうどいい内容だからな』
「……何を探るんです?」
『怪盗1412』
「……は?それって、あの怪盗キッドですか?ジン…あなた、あんな世間を騒がす愉快犯に興味があったんですか?」
『黙れ、これはあの方の指示だ』
「あの方の?」
『ああ、お前は理由なんざ気にしなくていい。とにかく奴に関する情報を何でも持ってこい。お前が潜入してる喫茶店の関係者に、キッドキラーとかいう坊主がいただろ』
「……わかりました、また情報が集まり次第報告します」
「また厄介な事になりそうだね、コナン君」
電話を切ったバーボンこと、安室透は潜入先で出会った探偵と名乗る少年を思い浮かべて、ため息をついた。
card.613
--ピンポーン
「……ちゃん、名前ちゃん」
名前は、自分を呼ぶ優しい声に閉じていた瞼をゆるりとあける。
「……かいと?」
「ああ、起こして悪いな。身体、大丈夫か?」
「ん、平気…どうしたの?」
名前は、まだ寝起きのためかいつもより幼い口調で答えながら、目元を擦る。
「さっきから何回かインターフォン鳴ってんだよ」
「……あー、ここにアポなしでここに来るのなんて新一くらいだわ」
「ったく、またアイツかよ。どうする?」
「無視したら後々面倒だし…。快斗、先に出てくれる?私、着替えたら行くわ」
「おー、無理すんなよ」
快斗は名前の頭を軽く撫でると、寝室から出て玄関に向かった。
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---ガチャ
「へーい、名前ちゃんのお部屋でーす」
「何で、お前がいんだよ」
まるで家主のように玄関を開けた快斗を見たコナンは、あからさまに顔をしかめる。そんなコナンを相手にすることなく、快斗はどんどんリビングに戻るとソファに腰をおろす。
「まーまー、名前ちゃんなら着替えたら来るから待ってろよ」
「?あいつ、こんな時間まで寝てたのかよ。珍しいな」
コナンも快斗の向かいの椅子に座りながらチラリと時計を見る。時刻はもう11時。アポなしとはいえ、非常識な訪問時間ではないはずだ。
「あー、まァいろいろな」
「何だよ、もしかして体調悪いのか?」
「いや、そうじゃねーよ。…まぁ少し身体は怠いかもしれないけど」
「……はあ?」
「うっせーな、こっちもいろいろ事情があんだよ!オメーは、名前ちゃんの母親かよ!?」
珍しく歯切れの悪い快斗に不審そうに眉を寄せるコナン。快斗は、名前に関しては相変わらず過保護に食いついてくるコナンに、うんざりしたようにため息をつく。
「なに騒いでるの?」
すると、そのタイミングで寝室から名前が出て来て、呆れたようにコナンと快斗の顔を見比べる。
「名前ちゃん、こっち座りな。何か飲むか?」
「自分でやるわよ」
「いーから!!」
「……じゃ、珈琲頼んでいい?」
「はいはーい、ちょっと待ってね。あ、名探偵は?」
「……俺はいい」
快斗は甲斐甲斐しく名前の手を引いてソファに座らせると、ニコニコしながらキッチンに向かう。
「急に来て悪かったな」
「大丈夫、待たせてごめんね」
「あいつの世話焼きは何なんだよ?本当に体調悪いのか?」
「え?あー、ううん。ちょっと昨日いろいろあったから怠いだけ」
「そ、"いろいろ"ね?」
名前達の会話を聞いていたのか、珈琲を片手に戻ってきた快斗はニヤリと口角をあげてそう言いながら、名前の隣に腰をおろす。二人して言葉を濁す様子に、コナンは眉を寄せる。
「……そーいや、昨日ナイトメアとキッドがどうのってニュースやってたな。オメー、名前に怪我でもさせてねーだろーな!?」
「バカ言うんじゃねーよ!んな事させるかって!」
「平気よ。昨日は白馬君が来てたから、白馬君と一緒にいたもの」
「ふーん?それなら安心か」
コナンが白馬の名前を出した途端に、コロッと納得したことに、名前の隣で快斗が不満そうにヤイヤイ文句を言っていたが、名前は構わずに会話を続ける。
「それで?わざわざ部屋まで来るなんて、何かあったの?」
「あー、オメーにちょっと相談があったんだが…黒羽がいるとは、」
コナンは少し迷ったように視線をチラリと快斗に向ける。
「俺がいるとダメなのかよ?」
「や、ダメっつーか…」
「……もしかして、組織の話なの?」
「あ、ああ…そうだけど、オメー…いいのかよ?」
コナンは、名前が快斗の前で"組織"の話題を出した事に戸惑いながら、快斗にチラリと視線を向ける。案の定、快斗は「組織?」と、不審そうに眉をあげている。
「快斗が聞いてくれるなら…快斗にも話そうかな、って思ってたとこなの」
「それがオメーの答えか?」
「うん、巻き込まれるのも巻き込むのも…一緒にいるなら当然でしょ?」
コナンは、"巻き込まれる"と言ったところに僅かに反応を見せたが、それを遮るように名前が言葉を続ける。
「哀は、前に私が話したいなら事情を話しても構わないって言ってた。新一は?」
「俺もオメーが決めたなら…まあ、いい」
「そっか。なら、快斗が聞いてくれるなら話すね」
「何だか知らねーけど、名前ちゃんに関する事なら、当然俺にだって関係あんだろ」
「はは……オメーはそういうタイプだと思ったぜ。だから、巻き込んでいいのか、よく考えろって言ったつもりだったんだが」
コナンは名前の出した答えが意外だったのかため息をつく。名前だったら、快斗を巻き込むを嫌がるだろう。快斗に事情を話さないとなれば、必然的に名前を組織の事に巻き込む機会も減るだろうと期待していたのだが、そうはいかなかったようだ。
「本当は昨日話すつもりだったんだけど、昨日はちょっと…それどころじゃなくなっちゃって」
「…?」
「新一の組織の相談は急ぎ?」
「いや、オメーが黒羽に話さねーと、今その話をしても黒羽は意味わかんねーだろうし、また明日にでも時間もらえるか?」
「ええ、わかったわ」
ひとまず快斗に事情を説明するのが先だという事になり、コナンは明日の約束を取り付けて帰っていく。それを見送ると「……と、いうわけで少し話をしてもいい?」と、名前は真剣な表情で快斗と向き合った。
※注意書き※
突然のバーボン!
サイト休止中に、沖矢さん、安室さん、世良ちゃんetc…と、重要人物が増えましたね。正直、今から彼らと快斗の出会いや絡みを原作を追いながらすすめていく自信がありません。
なので、元々都合に応じて原作沿いではないところもありましたが、ここからはそれが顕著になります!
まず、手始めにミステリートレインでの、バーボンさんと怪盗キッドの一悶着はなかった事になりそうです。すみません…。