「ダーク・ナイト」編
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「あ、パパお話終わったみたい!……パパー!!」
快斗と名前の足元で、ケンタが嬉しそうにピョンピョンと跳ねながらコネリーに向かって手を振る。
「ケ…ケンタ!!どうしてここに?」
「…ん?」
するとケンタの声に反応したコネリーと、その隣にいた中森がくるりと視線をケンタに向ける。
「や…やばっ!お父さんこっちに来るっ…!名前ちゃん…青子、お父さんにバレる前に着替えてくる!!」
「あ……うん、行ってらっしゃい」
名前と快斗の関係を心配していた青子だったが、機動隊の服に身を包んでいる事が父である中森にバレるわけにもいかず、慌てて踵を返して立ち去って行った。
card.597
「ケンタ、どうしてこんな所に?中森警部…無断で現場に部外者を入れてしまいすいません……私の息子のケンタです」
「いえいえ、部外者だなんて!まだ犯行時刻まで時間もありますし、構いませんよ」
コネリーはケンタが現場に来ている事を知らなかったようで、慌てながらも中森に頭を下げる。
「…………。」
「…………。」
快斗と名前は、青子がいなくなった事で余計に気まずい沈黙に包まれながらも、中森やケンタ達が笑顔で会話している光景を少し離れた場所で見つめている。そんな中、快斗はポリポリと頬を掻きながら、チラリと名前に視線を向けて口を開く。
「………オメーさ、」
「…ん?」
「あの野郎が帰って来る事、知ってたのかよ?」
「……あの野郎って…相変わらず白馬君には辛辣だね、快斗は」
名前は、相変わらずの快斗の言葉に苦笑しながら言葉を返す。
「何で、あいつが帰って来るって事を俺に言わねーんだよ?」
「だって……言う機会なんてなかったじゃない」
"あれ以来″と、心の中で付け加えながら名前は気まずそうに呟く。
「あー、まぁ…そっか。そうだな」
「……うん」
(本当は…口止めされてたっていうのもあるんだけど)
すると、快斗の方も気まずそうに頭を掻きながら小さくため息をつく。そんな快斗の様子に、名前も何となく快斗から視線をそらして辺りを見渡す。
「名前……」
「……うん?」
すると、しばらくの沈黙の後に快斗が意を決したように名前の名前を呼ぶ。
「……悪かった。白馬のこととか、こんな話する前に…いや、本当だったらあの後すぐにでも謝るべきだったのに」
「…………。」
「……怖がらせて、傷つけて本当にごめん」
「別に私は傷ついてなんかないよ」
名前はいつになく神妙な面持ちをしている快斗に苦笑しながら、ニッコリと笑顔を向けて言葉を返す。
「名前ちゃん…」
「まぁ…哀のアドバイスを受けて、ちょっとだけ本音を言わせてもらうなら……"怖くなかった″わけじゃないけど」
「…………。」
「ふふ……だけど、」
「名前ちゃん?」
名前は、後悔したような困ったような何とも言えない表情を見せる快斗を安心させるかのように、快斗の右手をそっと握る。
「快斗が相手なんだもん…嫌じゃないよ、私は」
「……そんな事言われたら、俺調子乗っちゃうんだけど」
「ふふ…それでもいいよ。快斗は、おちゃらけてくるぐらいがちょうど良いよ」
名前は、徐々にいつものテンポで話せるようになっている事に内心安堵しながら、快斗の右手を握る左手に力を込める。
「それに、私の方こそ……快斗の弱みになっちゃってごめんね」
そして隣に立つ快斗をチラリと見上げながら、周りにいる人を気にして小声でそう告げる。
「え?」
「もし違ったら完全に自惚れになるけど……今回、こんな事になったのは…私の事を"ナイトメア″に持ち出されたんじゃないの?」
「!」
(ジィちゃんの言う通り…やっぱり気付いてたのか)
快斗は名前の核心をついた言葉に目を見開くが、その問いに何と答えるべきか言葉を失う。
「ふふ……やっぱりそうなんだ」
そんな快斗の表情に名前は小さくため息をついて、眉を寄せながら苦笑混じりに小さく呟いた。