「ダーク・ナイト」編
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---チュン、チュン…
穏やかな朝の陽射しと共に小鳥の囀りが聞こえ始めた中、結局一睡も出来なかった名前は、ノートパソコンの画面をスクロールしながら、ぬるくなった珈琲をゴクリと飲み干す。
「なるほど…ナイトメア、ね」
そして、画面に表示された外国のニュース記事を見ながらため息まじりに小さく呟く。昨日の快斗の不可解な言動に納得出来なかった名前は、昨日の怪盗キッド としての仕事で何かあったのではないかと一晩中調べていたが、早朝の速報で怪盗キッドとナイトメアが手を組むというニュースを見つけた。そして、これまでナイトメアが海外で犯した犯罪について片っ端から調べあげたのだった。
card.590
「……んーっ」
名前はグッと伸びをしながら、ゆるりと天井を見上げる。
「謎の計画師……ナイトメアかぁ」
(そもそも財宝目的でキッドをやってるわけじゃない快斗が、何の理由もなく他の泥棒と手を組むわけがない。昨日の様子からしても、何かあったはずなんだけど)
名前は、さすがに快斗に直接聞ける状況ではないために、目を閉じてぐるぐる考えを巡らせていく。
--最近、尾行されていたり誰かの視線を感じるような事があるならご注意ください--
「そういえば、白馬君…あの時」
すると数日前に白馬と交わした会話を思い出して、名前はハッと目を開く。
--ここ数日、誰かに見られているような視線を感じるだけよ。……心当たりがあるとしたら新一達の組織の件でしょ?--
--ちょっと面白い情報を耳にしましてね--
--明日の予告状以外にも…おそらく近いうちに、彼はもう1度仕事をする事になる--
「……なるほどね」
そして、様々な考えが繋がっていき1つの答えが頭の中に浮かんだ名前は、自嘲気味に笑うと困ったように髪を掻き上げる。
「……まいったな。足手まといだけにはなりたくなかったのに」
そして、もう1度パソコンに視線を向けると再び画面をスクロールさせていく。
「ナイトメアとキッドの予告日は確か……13日の金曜、午後8時か」
--…何で嫌がらねーの?--
「……っ!!」
そんな時ふいに昨夜の快斗の言葉や態度が脳裏に蘇ってきて、名前は小さく息をのんでギュッと拳を握る。そして小さく息をつきながら頭を振ると、ガタン…と立ち上がる。
「怖くなんかない……私が快斗の事信じないと」
(あんなに優しい快斗に、あそこまでさせたのは…あんなに追い詰めたのは、きっと私のせいでもあるんだから)
そして何かを決意したように小さく呟くと、上着を羽織って玄関へと足を向けた。